◇絵でみる需給動向◇
脱脂粉乳の生産量は、生乳生産量の増加などを反映して、2001年9月以 降おおむね増加傾向で推移してきた。2002年9、10月と連続して前年同月を下 回ったが、1〜10月の累計では、前年同期比8.5%増の58万4千トンとなった。 これに対し、脱脂粉乳の消費量(政府の国内無償供与部分を除く商業(購買) 消費量)は、業務用を中心とした需要の低迷などから、1〜9月で前年同期を25 .6%下回る24万7千トンと大幅に減少している。 ◇図:脱脂粉乳の生産量および価格の推移◇
このため、脱脂粉乳の卸売価格(西部諸州のFOB価格)は、2001年5月以降 前年同月を下回って推移しており、2002年に入っても買上げ価格1ポンド 当たり90セント(1キログラム当たり約246円:1ドル=124円)水準での低迷 が続いている。 商品金融公社(CCC)は、加工原料乳価格支持制度の下、脱脂粉乳の買上げ を活発に行い、2002年1月〜10月の買上げ数量は、前年を7割以上上回る約6億 ポンド(約27万4千トン)となった。この買上げ数量から、CCCによる用途無 指定の一般販売数量を除き、乳製品輸出奨励計画(DEIP)に基づく補助金付 輸出数量(1億4千万トン:約6万5千トン)を加えた隔離数量(約7億3千万ト ン:約33万1千トン)は、この10年間の1〜10月で最も高い水準となっている。 このため、CCC未処分在庫は、10月末現在で前年比65.6%増の50万2千トンにま で積み上がり、この水準は、脱脂粉乳の年間国内消費量の166%に相当すると されている。 ◇図:脱脂粉乳の民間在庫および隔離数量◇
こうした状況を受け、USDAは11月15日、酪農政策の実施に関する発表を行い、 その中で脱脂粉乳とバターの政府買上げ価格の見直しを明らかにした。脱脂粉 乳は、現行の100ポンド当たり90.00ドルから80.00ドルに引き下げられる(ト ピックス参照)。
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