◇絵でみる需給動向◇
EU統計局が先頃発表した資料によると、2002年6月(加盟国によって 調査月は4〜8月)のEU15ヵ国における豚の飼養頭数は、前年同期比0.9%減の1 億2,016万4千頭となった。豚の飼養頭数は、環境問題への懸念から99年以降減 少が続いていたが、前回調査(2001年12月時点)ではわずかに前年を上回った が、今回の調査では、再度、減少を示した。 各国別の豚飼養頭数 資料:EU統計局
飼養頭数を国別に見ると、最も減少率の大きかったのはオランダで、前年同 期比9.7%減の1,139万3千頭となった。これは、口蹄疫の発生により移動が制 限されていたため前年の飼養頭数が多かったことと環境問題による飼養の制限 が要因といえる。ベルギーにおける減少も、環境問題に係る離農促進計画によ り離農が進んだことが要因となっている。また、フランスにおいてもわずかに 減少しているが、これは、ブラジルなどの低コスト生産国からの輸入増加が影 響しているものとみられる。一方、EU最大の飼養頭数を抱えるドイツでは、高 値を記録した2001年の豚肉価格の影響により、前年度比1.4%増の2,625万5千 頭とわずかに増加した。
EU統計局が発表したと畜頭数の短期予測によると、2002年のEU15ヵ国のと畜 頭数は、前年比0.5%増の2億133万3千頭とわずかに増加している。国別では、 オランダやイギリスについては、口蹄疫の影響で大幅な減少を示した2001 年のと畜頭数を、さらに下回る予測となっている。しかし、これ以外のドイツ、 スペイン、フランスおよびデンマークなどの主要豚肉生産国については、増加 すると予測している。 また、2003年上半期のと畜頭数については、スペインとオランダを除く主要 国が減少すると見込んでいることから、15ヵ国全体では前年同期比0.2%の減 少を示すと予測している。 と畜頭数の短期予測 資料:EU統計局
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