米国の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○フィードロット飼養頭数減少


● ● ● 12カ月連続前年同月割れが続く ● ● ●

 フィードロット飼養頭数は前年同月を下回って推移している。

 フィードロットにおける飼養頭数の減少は、昨年からの干ばつによって飼料穀
物の収穫量が減少し、飼料穀物価格の上昇したことが大きく影響しているとさ
れる。

 2003年4月1日現在の飼養頭数は、10,703千頭(千頭以上飼養頭数のフィード
ロット)となり、前月からは1.7%の増加となったが前年同月比では7.5%の減
少となっている。

 なお、種類別に見てみると勢牛および去勢子牛は、6,715千頭となり全体の62.7%
となり、前年同月比は7.1%の減少となっている。また雌および雌子牛は3,918
千頭、全体の36.6%となり、前年同月比で9%の減少といずれも減少している。
(左図参照)

◇図:フィ−ドロットからの出荷頭数◇


● ● ● 肥育牛価格は上昇、肥育素牛価格は低下 ● ● ●

 一方、肥育牛価格(去勢チョイス級の1,000〜1,300ポンド、ネブラスカの相対)
は2002年11月から5カ月連続前年同月を上回り、肥育価格の上昇から、フィ
ードロットからの出荷頭数が増加し、これに伴い、フィードロットへの導入頭
数も増加する傾向にある。3月は6.8%高の100ポンド当たり77.5ドル(キログ
ラム当たり205円、1ドル=120円)となった。

 3月の導入頭数は、前年同月比23.5%増の204万2千頭、市場出荷頭数も同15.2%
増の180万3千頭となり、前月に比べると1%の増加となった。

 肥育素牛価格(オクラホマシティの市場価格、去勢、600〜650ポンド)は低下
している。2001年10月以降、前年同月を下回って推移していたが、最近はフィ
ードロッiトへの導入増から3月は肥育素牛価格は、前年同月比3.2%安の100
ポンド当たり88.5ドル(キログラム当たり234円)となり、回復の兆しを見せ
ている。

 肥育素牛価格の減少はコストを抑えたいフィードロッターが肥育素牛の導入を
抑える動きに出ていたものであるが、肥育牛価格の好転から今後導入の活発化
が見え肥育素牛価格も好転の兆しが見え始めた。

◇図:フィ−ドロットへの導入頭数◇


● ● ● 肥育コストの上昇が影響も今後は導入活発化 ● ● ●

 USDAによると飼料作物の生産減少は、前年比4%とされ、トウモロコシ価格は
現在1ブッシェル当たり2ドルとなっており、昨年の同1.85ドルから上昇を続
けている。そのほかの穀物や干牧草についても同様の傾向となっており、飼料
価格が肥育コストを押し上げている。

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