◇絵でみる需給動向◇
米国農務省(USDA)によると、4月のと畜頭数は前年同月比1%減の835万頭 となった。2002年後半から繁殖雌豚飼養頭数の減少、子豚生産頭数の減少が続 いてきたが、2003年4月にはと畜頭数が前年同月を下回り、4月から6月のと 畜は前年同期比2%程度落ち込むと予想されている。 ◇図:と畜頭数の推移◇
USDAによると、2003年4月の肥育豚価格(生体重換算、全米平均取引価格) は、前年同月を7.5%上回る100ポンド当たり35.5ドル(1キログラム当たり98 円:1ドル=120円)となった。肥育豚価格は、2001年10月以降おおむね前年を 下回って推移した。昨年末から上昇傾向(対前年減少率が縮小傾向)を示し4 月には18カ月ぶりに前年同月を上回った。以上のことから2003年4月以降は、 と畜頭数の減少が見込まれることから肥育豚価格も回復が期待されている。 (左図参照)
USDAが先ごろ発表した。Meat Animals Production, Disposition, and Incomによれ ば、2002年の全米の豚肉生産量(生体重量ベース)は前年比1.4%増の262億,5396 万ポンド(11,909千トン)、売上高は同24.1%減の86億7,934万ドル(約1兆 415億円)、総所得は同22.6%減の96億5,129万ドル(1兆1,581億円)となっ た。養豚経営の場合コストの6割が飼料費とされているが、干ばつの影響で飼 料費の上昇がコストを増大させ所得を圧迫し、その結果として繁殖、肥育豚の 飼養縮小、と畜の増加を助長した結果と考えられる。
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