米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○鶏肉輸出の今後の見通しは、不透明


● ● ● 2002年の価格動向 ● ● ●

 米農務省(USDA)によると、2003年1月のブロイラー生産量(可食処理ベー
ス・骨付き)は、前年同期比2.0%減の123万8千トンとなった。また、同月の
卸売価格(12都市平均丸どり価格)は、同5.3%高のポンド当たり59.9セント
(1キログラム当たり158.3円、1ドル=120円)となった。


● ● ● 2003年もひなふ化羽数の減少傾向は継続か ● ● ●

 2002年12月のブロイラーひなふ化羽数は前年同月比0.7%増の7億7500万羽と
なったものの、その増加率は鈍化しており、2002年第4四半期の計では、前年
比3.1%減となっている。USDAでは、最近の鶏肉の価格低下や輸出が先行き不
透明であることからひなふ化羽数の減少は引き続き継続するものと予想してい
る。

◇図:ブロイラーひなふ化羽数(対前年増減率)◇


● ● ● ニューカッスル病や他国の輸入制度の動向が輸出のカギ ● ● ●

 2002年10月にカルフォルニア州で発生が確認されたニューカッスル病は同州
内で零細農家のみならず企業経営にもまん延し、米農務省動植物検疫局(USDA 
APHIS)は移動制限を実施する等検疫措置を強化した。EU等は米国全土からの
鶏肉・鶏卵等の輸入を禁止しているが、多くの輸入国はニューカッスル病の発
生地域からの輸入のみを禁止する地域主義を適用している。カルフォルニア州
で淘汰された種鶏(採卵用)の数は、全米の飼養羽数の1%にも満たないが、
今後のまん延の趨勢や各国の措置の状況によっては貿易へのさらなる影響も懸
念される。

 ロシアは4月1日より関税割当の導入を法制化し、四半期ごとに運用すると
しているが、その詳細は明らかになっていない。また、メキシコにおいては、
北米自由貿易協定(NAFTA)に基づき2003年1月からの米国産鶏肉に対する関税
割当を廃止し無税とすることとされていたが、米国・メキシコの両国の政府間
で、もも肉についてのみNAFTAのセーフガードを発動し、実質的な関税措置を
維持することで合意した。このため、ロシアおよびメキシコの鶏肉輸入制度の
影響がどのように表れるかが注目される。

◇図:輸出相手別シェア(2002年1〜11月)◇

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