世界の飼料穀物の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○2002/03年度の米国の穀物生産、前年度比3.1%減



● ● ● 生産見込みは前月からわずかに下方修正 ● ● ●

 米農務省(USDA)が2003年1月に公表した予測によれば、2002/03年度(9月
〜翌年10月)における米国の穀物生産量は、前年度比3.1%減の2億4,504万ト
ンで、前月の予測からわずかに下方修正された。トウモロコシの生産量は前月
予測に比べ増加が見込まれるものの、ソルガムが減少すると予測されている。


● ● ● 飼料用需要は減少、食料・種子・工業原料用は増加 ● ● ●

 2002/03年度の需要量については、前年度比2.1%減の2億6,600万トン、そ
のうち、飼料用は、前年度比4.1%減の1億5,570万トンと予測されている。家
きん部門は前年比をわずかながら上回るものの、牛肉、豚肉については、いず
れも前年度を下回ると見込まれている。牛肉部門は、フィードロット飼養頭数
が2002年5月以降、前年同月を下回っていることから、生産基盤の縮小が顕著
となっており、2003年の生産量は前年比5.1%減と見込まれている。また、豚
肉部門については、肥育豚価格の低迷などによる収益性の悪化から、生産者が
繁殖豚の飼養規模を縮小する傾向にあり、子豚生産頭数も2002年6月以降、前
年同月を下回って推移していることから、生産量は前年比1.5%減と予測され
ている。

 一方、食料・種子・工業原料用(FSI)は、トウモロコシ需要の伸びから増
加が見込まれている。トウモロコシのFSIの内訳を見ると、グルコースおよび
デキストロース以外のすべてのカテゴリーで増加となっているが、中でもエタ
ノール向けが前年度比26%と大幅に増加したことが大きい。99/2000年度にそ
れまで最大の割合を占めていた異性化糖(HFCS)を抜いて以降、増加が続いて
おり、この10年間でほぼ倍増している。2002/03年度のエタノール向けトウモ
ロコシ需要量は、前年度より1億8,620万ブッシェル(約470万トン)多い9億ブ
ッシェル(約2,286万トン)と見込まれている。


● ● ● トウモロコシ輸出量は中国との競合から減少見込み ● ● ●

 また、輸出向けも減少が見込まれており、中でもトウモロコシについては、
中国との競争が激しくなると見込まれていることから、前年度比2.3%増の4,80
0万トンと、前月の予測から1千万トン下方修正されている。

トウモロコシの食料、種子、工業原料用(FSI)の内訳

資料:USDA「Feed Outlook」
 注:02/03年度は予測
   シリアル等には種子を含む

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