◇絵でみる需給動向◇
ニュージーランド(NZ)の農林省(MAF)が2002年12月に公表した中期需給 予測によると、乳製品生産は、2002/03年度(6〜5月)以降2005/06年度まで、 おおむね増加傾向で推移するとしている。NZの乳製品生産は需要の強い製品に 生産を集中させるため、製品別には年度ごとに増減はあるものの、2001/02年 まではおおむね増加傾向で推移してきた。2002/03年度以降も期間中の生乳生 産が増加予測となっているのに伴い、主要な乳製品の生産も増加が予測されて いる。
乳製品の中で、2005/06年度の生産量が2001/02年度と比較して最も増加率 の高かったものは脱脂粉乳で、20.5%増の41万2千トンと予測されている。また、 全粉乳についても、同19.9%増の54万9千トンと大幅に増加している。MAFでは、 東南アジアでの需要が回復する中、今シーズン(2002/03年度)の乳業界が、 乳タンパク質やチーズ、バターなどに比べて粉乳生産を特に重要視していると みており、2005/06年度まで継続して粉乳が増産されるとみている。 脱脂粉乳生産量の増加が予測されることから、バター生産量も2001/02年度 と比較して2005/06年度には、14.9%増の45万4千トンと大きく増加すると予 測されている。バターは他の乳製品に比べ、これまでは需要が弱いとされてい たが、2002/03年度は脱脂粉乳の生産が増加したことから前年度比10.7%増と なった。その後も、緩やかな増加を予測している。 一方、これまでは比較的強い需要を背景に国際価格が高値となっていたチー ズは、今回の予測ではもっとも増加率が低く、2005/06年度のチーズ生産量は 2001/02年度と比較して11.6%増と予測されている。
MAFでは、NZにおける将来の乳製品生産について、今後も一層、高付加価値 の乳製品生産に傾注していくとしている。高い技術に基づく栄養補助食品など や将来的には顧客にとって望ましくない成分(乳脂肪や乳糖など)を取り除い たもの(豆乳などの乳製品代替品から市場を取り戻すことができる)など、生 乳を使った新しい製品や新しい使い方が広がっていくとしている。 乳製品生産量予測 資料:MAF 注1:脱脂粉乳には、バター・ミルク・パウダーを含む 注2:2002/03年度以降は予測値
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