◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2003年1月の豚枝肉生産量は、前年同月比2.2% 増の80万トンとなった。一方、2002年12月の子豚の生産頭数は前年同月比0.7 %減の795万頭となり、2002年6月以降7カ月間連続して前年を下回った。USDA が四半期ごとに発表する豚の飼養動向調査によると、12月の繁殖豚の飼養頭数 は、9月に引き続き前年同期を下回っており、かつその減少率も拡大している。 2002年6月以降に生産された子豚が出荷される2003年第1四半期以降に枝肉生産 量も減少に転ずるものと予想されている。ただし、国内での生産の減少を補う ためにカナダからの生体の輸入が増加することも見込まれることから、実際に 枝肉生産量が減少に転ずるのは第2四半期に入ってからになると予想されてい る。
10月のカナダからの肥育素豚(110ポンド以下)輸入は、前年同月比20%増 の39万3千頭と過去最高を記録した。また、生きた豚の総輸入に肥育素豚が占 める割合も71%と過去最高を記録した。他方、肥育豚の輸入頭数は、カナダ国 内のと畜場のと畜可能頭数の向上から、7%以上減少した。 ◇図:カナダからの肥育豚(110ポンド以下)の輸入頭数◇ カナダ国内におけると畜可能頭数の増加 資料:USDA「Livestock, Dairy, and Poultry Outlook」
2003年の豚肉価格については、豚肉のみならず食肉全体の生産が減少傾向に あることから、比較的堅調に推移することが期待されているが、生産が増加に 転ずるためには、飼料価格の動向も重要な要素となる。これまで、生産者は豚 価が採算分岐点を上回るようになった後、6〜9カ月後に繁殖母豚頭数を増加さ せる傾向にあったが、現在、米国の養豚業界の構造は変化の途上にあり、生産 のサイクルが増加に転じる時期を見極めることは困難であるとしている。
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