◇絵でみる需給動向◇
豪州農林漁業省 (AFFA)によると、2002/2003年度(7〜6月)の牛肉輸出量(船 積みベース)は、90万1,769トンと前年度とほぼ同じとなった。過去最高の輸出量と なった2年前(2000/2001年度)の95万8,595トンに比べると5.9%の減少である(図)。 国別に見ると、最大の輸出相手先である米国は、前年度比13.0%減の34万8,398ト ンとなった。輸出量全体に占める割合は、前年度の 44.4%から 38.6%と低下した。 2位の日本は 13.9%増の 27万7,178トンとなった。さらに、韓国は 14.7%増の 8万 1,571トン、台湾は18.6%増の 3万4,364トン、インドネシアにおいては 60.8%増の 1万 7,563トンとなっており、アジア地域での輸出量が増加したため、全体の輸出量 は前年並みとなった。
|
資料:AFFA「AFFA Statistics」 注1:船積み重量ベース 2:子牛肉を含む |
|
豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)「Industry Overview」7月号によれば、米国向 け輸出量の減少は、 米国の特にフードサービス業界からの加工原料用牛肉の需要が 低下したことに加えて、 豪ドル高と米国産の加工原料用牛肉の供給量が増加したこ とによるとしている。また、日本向け数量の増加については、 2001年 9月の日本国 内でのBSE確認により減少した消費が回復してきたため、と述べている。 日本における1人当たりの家計消費量は、2002年9月に前年同月を上回り 、日本の 豪州産牛肉の輸入数量(貿易統計)は、2002年 11月以降、前年同月を上回って推移 した。
またMLAは、豪州統計局(ABS)による2002/03年度の生体牛の輸出頭数は約100万 頭、輸出総額は前年度比8%増の約6億700万豪ドル(約485億6千万円:1豪ドル=約80 円)の過去最高となったと報じている。 国別に見ると、インドネシアは前年度比50%増の約49万頭、マレーシアは同25%増 の約 97万頭、フィリピンは同 12%増の 10万8千頭と東南アジア向けが増加しており、 エジプト向けは同30%減の10万5千頭であった。MLAは増加の理由として、インドネシ アは豪州の生体牛価格の低下、マレーシアは自国の牛肉消費が好調であったためと見 ている。また、ブルネイ(2万3千頭)、日本(1万9千頭)、ヨルダン( 1万頭)、サ ウジアラビア(5万3千頭)向けは減少したと述べている。
元のページに戻る