世界の飼料穀物の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○前年水準を下回る米国のトウモロコシ作柄


● ● ●8月3日現在の作柄は低水準 ● ● ●

 米農務省(USDA)は、8月3日現在の米国におけるトウモロコシの作柄動向を
公表した。これによると、主要18州の作柄は、「優」(Excellent)と「良」
(Good)の合計が67%で、前週(7月27日現在)と比較して2ポイント下回った
ものの、干ばつの影響を受けた前年同期(41%)を26ポイント上回っている。
州別には、イリノイ州の79%からカンザス州の22%と大きく格差が見られる。
主要州の作柄動向(「良」以上)
資料:USDA「Crop Progress」

● ● ● 生育状況に遅れも ● ● ●

 また、生育状況を見ると、シルキング(雌穂の開花)が完了した比率は前年
同期を3ポイント下回る 86%となっている。適度な降水量と気温により、シル
キングはコーンベルト地帯およびグレートプレイン北部で進んでいるものの、
最近5年間の平均との比較でも5ポイント下回っている。一方、ドウ(受粉後、
ミルク状穀粒の中身が柔らかい塊になった状態)の比率は前年同期を9ポイン
ト下回る19%となっており、さらに最近5年間の平均との比較では10ポイント
下回っていることから、例年より生育に遅れが見られる。

● ● ● 単収は前年実績を上回る見込み ● ● ●

 これに先立ちUSDAは7月に、6月末に公表した作付動向調査の結果に基づき、
需給予測を発表した。これによると、2003/04年度のトウモロコシ作付面積
は前年実績並み( 3,199万7千ヘクタール)となっているものの、単位当たり
収量は前年比2.1%増の1エーカー当たり142.7ブッシェルと見込んでおり、今
年度のトウモロコシ生産量を102億7千万ブッシェル(約 2億 6,100万トン)
とした。8月中旬に発表される予測では、USDAが生産者に対する聴き取り調査
などを行った結果が織り込まれることから、USDAがどの程度前回の予測数量
を修正するのか注目されている。

 なお、民間の農業コンサルタント会社であるスパークス社は8月6日、今年
度のトウモロコシ生産量を103億7,100万ブッシェル(約 2億6,300万トン)と
USDAの予測を上回る予測を発表している。

米国産トウモロコシの単収の推移
資料:USDA「Feed Yearbook」

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