◇絵でみる需給動向◇
米農務省(USDA)によると、2003年第1〜5月の豚肉輸出量(枝肉重量ベース) は、前年同期比6.9%増の31万8千トンとなった。 国別に見ると、最大の輸出市場となっている日本向けは、前年同期比9.0%増の 16万7千トンとなった。また、韓国向けは総輸出量に占める割合は 5.8%に過ぎな いが、同 83.5%増の1万9千トンと大幅に増加した。一方、メキシコについては同 国の景気の低迷と米国産豚肉の輸出価格高(同 15.2%高のトン当たり 1,826ドル (約22万946円、1ドル=121円))が影響し同13.4%減の5万1千トンとなった。メ キシコ政府によるアンチダンピング措置の行方いかん (メキシコ政府は米国から の輸入豚肉に対するアンチダンピング防止税賦課のための調査を実施している ) は、来年もさらに減少するとみられている。 カナダは、米国産豚肉の輸出価格高 (同4.3%高のトン当たり2,429ドル(約29万3,909円))やカナダの国内養豚産業 の競争力の高まりにより同17.4%減の3万2千トンとなった。
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資料:USDA「Livestock,Dairy and Poultry Outlook」 注:枝肉重量ベース |
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資料:FAS/USDA「Pork Exports」 注1:輸出額を輸出量(製品重量ベース)で除したもの 2:2003年は1から5月の平均 |
USDAは今年当初、対日輸出量は減少との見込みを発表していたが、2003年第1 〜5月はそれに反し増加となった。輸出量増加の要因としては昨年 8月 1日に発 動された関税の緊急措置が解除された2003年 4月1日以降に輸出が集中し、増加 したためとしている。1〜 5月の日本向け輸出量(製品重量ベース)では生鮮・ 冷蔵が前年同月比14.8%減の5万トン、冷凍が同28.4%増の6万8千トンとなった。
日本では平成15年度第1四半期(4〜6月)の豚肉等の輸入量(部分肉ベース) が関税の緊急措置の発動基準数量である22万706トンを超える23万9,803トンと なったことから、一昨年、昨年に引き続き3カ年連続で、8月1日から翌年3月31 日まで、関税の緊急措置が発動されることとなった。
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