◇絵でみる需給動向◇
EUの豚肉業界関係者で構成される豚肉常設委員会予測グループの需給見通しに よると、2003年のEUの豚肉生産量は、前年比0.5%減の1,770万トン(枝肉ベース、 以下同じ)と予測されている。一方、同年のEUの豚肉消費量は、前年比 0.3%増 の1,665万トンと見込まれている。 また、輸出量は、前年比 11.3%減の 110万トンと予測されている。この理由と しては、・米ドルに対してユーロ高で推移していること・今年4月からロシアで関 税割当制度が導入されたこと ・ ブラジルの豚肉輸出が国際市場で増加しており、 競争が激化していること-などが挙げられる。
2003年の生産量を国別に見ると、ドイツ、スペイン、デンマーク、イタリアお よびフランスで増加、イギリスおよびオランダでは減少するとみられている。 豚の総飼養頭数が2,625万1千頭(2002年12月の調査)とEU最大の豚肉生産国で あるドイツでは、2003年のと畜頭数は 4,100万頭とほぼ前年並みであるが、枝肉 重量の増加から生産量は 1.1%増の 417万トンと予測されている。ドイツに次ぐ 生産国のスペインでは、0.7%増の314万トン、EU で 3番目、4番目の生産国であ るフランスおよびデンマークは、それぞれ 0.8%、0.7%増の 236万トン、177万 トンと予測されている。 一方、イギリスでは、前年比9.9%減の71万6,500トンと生産量の減少が顕著で ある。同国の繁殖豚の頭数は、2002年12月の調査において前年比 4.2%減、総飼 養頭数は、同年 12月の調査では前年比 6.3%減の 533万頭と減少を続けている。 また、オランダの生産量は 8.6%減と予測されている。同国の豚の総飼養頭数は、 今年 4月および 5月に行われた調査で前年比 9.9%減となっている。2000年12月 の調査で、オランダの飼養頭数は EUで4番目であったが、デンマークの飼養頭数 が増加している一方、同国では頭数が減少していることから、2001年には順番が 逆転している。オランダの豚総飼養頭数は、2002年12月の調査で前年比 3.1%減 の1,115万4千頭となった。
EU の豚と畜頭数を四半期ごとに見ると、第1四半期はデンマークおよびスペイ ンで増加し、イギリスやオランダで減少したことから、前年同期比1.9%(95万5 千頭)増の5,141万9千頭であった。第2および3四半期は前年同期に比べ減少する が、その程度はわずかである。第4四半期は、前年同期比 2.6%(約140万頭)減 の5,266万3千頭と予測されている。
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