豪州フィードロット協会(ALFA)は2月5日、豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)との共同調査による四半期ごとの全国フィードロット飼養頭数調査の結果を発表した。これによれば、03年12月末時点の総飼養頭数は65万頭と、前回調査(9月末時点)から7%増加した(表)。干ばつが緩和するにつれ、生産者の肥育素牛に対する保留意欲が増し、フィードロットの飼養頭数は3期連続で減少していたが、飼料穀物価格の低下などが影響し増加に転じた。しかし、干ばつの影響で大幅に増加した前年同期と比べると、8%減となっている。
フィードロット飼養頭数の増加傾向はすべての州に及んでおり、フィードロットの収容可能頭数に対する稼働率は、飼養頭数の増加により全体で72%と前回調査から5ポイント上昇している。なお、ALFAでは調査時期の関係から、米国で発生した牛海綿状脳症(BSE)による影響が反映されていないと述べている。
図 州別飼養頭数内訳 (単位:頭)
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● ● ● 日本向け飼養頭数が対前期比14%増 ● ● ●
仕向け先別に見ると、輸出向け飼養頭数が40万1千頭でフィードロット飼養頭数全体の62%、国内向けが24万5千頭で同38%となった(図)。輸出向けでは、その大部分を占める日本向けが対前期比で14%増え、43%から56%へとシェアを回復した。日本向けの増加についてMLAなどは、(1)日本の季節的な需要増
(2)2003年後半の好調な輸出価格 (3)飼料穀物価格の低下−を挙げている。国内向けの減少理由は、干ばつの緩和により牧草の生育状態が改善し、牧草肥育の肉用牛が増加したためとしている。
米国でのBSE発生後の状況について、ALFAでは、フィードロット業界は日本や韓国からの需要増で飼養頭数の大幅な増加を迫られているが、米国産牛肉の輸入解禁時期が不透明なことから、価格や契約期間に配慮した契約が必要であると述べ、今後の成り行きを注目している。
図 仕向け先別フィードロット飼養頭数の推移
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資料:ALFA/MLA「Feedlot
Survey」 |
● ● ● 2003年のフィードロット総と畜頭数、過去最高を記録
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また、同調査では2003年フィードロット飼養牛の総と畜頭数も併せて発表しており、これによれば、2003年のフードロット飼養牛の総と畜頭数は約210万頭と、前年を7.6%上回り、過去最高を記録した01年の約205万頭を5万頭上回る結果となった。MLAではこの要因について、干ばつの影響による牧草不足で多くの国内向け肉用牛がフィードロットで飼養されたことと国内需要の堅調さが結び付いた結果と述べている。
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