米農務省(USDA)によると、2003年の牛肉輸出量(枝肉重量ベース)は、前年比7.9%増の114万4千トンと史上最高を記録した。
国別に見ると、日本は、BSEの発生による消費者の牛肉離れが回復基調に入り需要が活発化したことから、前年比19.3%増の41万トンとなった。主要輸出相手国の中で唯一前年を上回った。日本は引き続き、最大の輸出先であるが、全輸出量に占める割合も36.4%と前年の31.5%から4.9ポイント増の41万7千トンとなった。第2位のメキシコ(輸出に占める割合23.3%)は国内の需要減などから前年比6.5%減の26万7千トン、第3位の韓国(同23.2%)は同1.6%増の26万6千トン、第4位のカナダ(同9.0%)は同5.9%増の10万2千トンとなった。
図1 牛肉の輸出量(2003年)
|
|
資料:USDA「Livestock,Dairy ando Poultry Outlook」
|
● ● ● 輸入は1.6%の減 ● ● ●
一方、2003年の牛肉輸入量は、前年比1.6%減の136万3千トンとなった。
国別に見ると、全輸入量の37.5%を占める豪州は前年比0.7%減の51万1千トン、同2位(輸入に占める割合24.6%)のカナダは、BSE発生から米国との輸入条件が整うまでの3カ月間の輸入停止措置により同32.2%減の33万5千トンとなった。同3位のニュージーランド(同21.4%)は同6.7%増の29万2千トンとなった。また、口蹄疫の清浄化に伴い従来からの加熱処理肉に加え生鮮・冷蔵・冷凍肉の輸出が解禁となったウルグアイが前年比約7倍増の4万6千トンと大幅に増加した。
図2 国別牛肉輸入シェア
|
|
資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」 |
● ● ● 2004年、輸出はBSEの影響により輸入は減少
● ● ●
USDAは、2004年の貿易見込みについて、輸出については多くの輸入国で輸入停止措置が継続される可能性があることにより減少せざるを得ないとしている。一方、輸入については米国における飼養頭数の減少により牛肉生産量も引き続き減少することが予想され、需要を満たすためにカナダや豪州からの加工向けの輸入が堅調となり前年比13%増の約150万トンとなると予測している。
|