米国の穀物消費量が増加

◇絵でみる需給動向◇



● ● ● 米国の穀物消費量が増加 ● ● ●

 米農務省(USDA)が2004年2月に公表した予測によれば、2003/04年度(10月〜翌年9月)における米国の主要穀物(トウモロコシ、ソルガム、小麦、エン麦)の生産量は、全体で109億4,600万ブッシェル(2億7,803万トン)となった。

 米国の主要穀物生産量の9割を占めるトウモロコシは、家畜の飼養頭数の増加など国内消費と輸出の増加により供給が厳しくなり、価格も上昇傾向となると見込まれている。国内消費では飼料消費などが2,500万ブッシェル(63万5,000トン)増加し58億ブッシェル(1億4,732万トン)となった。さらに、エタノール原料として3,000万ブッシェル(76万2,000トン)増加しその結果、食用・種子用・工業用の利用が25億1,000万ブッシェル(6,1495万トン)と記録的に増加する。一方、輸出は世界の需要増により2,500万ブッシェル(63万5,000トン)増加し、20億ブッシェル(5万800万トン)となった。これは、1995/96年度依頼の輸出量となっている。

 一方、乾草は、干ばつが終息しつつあることから、2003年12月1日現在の在庫量が前年比7%増の1億1,080万トンとなった。加えて、2004年1月1日現在の雌牛と未経産牛の頭数減少により家畜粗飼料消費量は7,070万トンと見込まれ、1頭当たりの在庫量は9%増の1.44トンとなるとされ、これにより2003年5月〜2004年1月の平均乾草価格は、前年同期比2%安のトン当たり73.24ドル(約8,129円、1ドル=111円)となった。

● ● ● 国際市場の動き ● ● ●

  2003/04年度の世界の穀物生産は、旧ソビエト連邦のロシアでえん麦、ウクライナで大麦の減少が影響し全体では減少すると見込まれる。

 国別に見るとブラジルは、トウモロコシとソルガムの生産増により300トンの増加が見込まれる。当初、トウモロコシ生産は、高価格の大豆への転換により生産減が見込まれていたが、作付面積の減少が予想より少なかったため200トン増加し4,200トンの見込みとなった。南アフリカは、1939年依頼の作付面積の減少から50万トンの減少とされている。

 また、世界の穀物消費量は200万トン増加し9億2,900万トンとなるが、米国の輸出向け数量の増加と旧ソビエト連邦の減産、大麦の消費拡大により400万トン増加する。このため、期末在庫は60万トン減少し1億トンを割り込み9,984万トンとなることが予測されている。


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