3大パッカーのと畜頭数に占める割合が継続して増加


◇絵でみる需給動向◇


●●●上位5社の順位は前年と変わらず●●●

 米国の食肉コンサルタントである「Cattle Buyers Weekly(CBW社)」は、1日当たりのと畜処理能力に基づく2003年米国における食肉パッカーのランキングを発表した。この調査は88年から毎年実施されており、今回公表されたCBW社の調査(一部推計を含む)によると、上位企業の順位は、ほぼ前年と同様であったものの、肉牛の供給が厳しい状況であり、上位30社では1日当たり処理能力の合計が前年比0.4%減の13万4,855頭となった。

●●●上位5社のと畜処理能力は前年比0.2%増●●●

 上位30社合計の工場数は、前年と変わらず58であったものの、1日当たりのと畜処理能力は上位5社では、前年比0.2%増の10万3,350頭となった。上位3社では前年比0.2%増の8万5,350頭となっており他の27社が前年比1.3%減となっているにもかかわらず、微増を続けている。

表 1日当たりの処理能力上位10社(2003)
資料:「Cattle Buyers Weekly」

●●●大手の寡占化が定着●●●

 上位3社の牛の全と畜頭数に占める割合は、63.3%と前年に比べ0.4ポイント増加している。これに同4位のナショナル・ビーフ・パッキングと同5位のスミスフィールドの2社を加えた上位5社では、全体の76.6%となり前年比0.8ポイント減少した。このうち、全と畜頭数の8割以上を占める去勢牛および未経産牛について見ると、上位3社では前年を0.1ポイント下回る73.2%、また、上位5社では、0.2ポイント上回る89.4%となった。大規模パッカーの寡占化傾向は盤石な基盤を築いている。

図 牛と畜頭数シェアの推移
資料:「Cattle Buyers Weekly」

●●●粗利益は1985年以来最悪●●●

 また、CBWの調査によると2004年の5月14日からの20週のパッカーの粗利益は1頭当たり平均15ドル(1,605円、1ドル=107円)安くなっており、1985年以来最悪とされた。その要因は、付加価値が大きい輸出市場、特に日本向けの牛肉や内臓などの需要の消滅と肉牛の供給不足による稼働時間の低下により1頭当たりの処理コストが増加したことなどとされている。


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