世界の飼料穀物生産増加により在庫が増加


◇絵でみる需給動向◇

●●●世界の飼料穀物生産量は増加●●●

 
米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が10月に発表した世界の飼料穀物生産量予測(2004/05年10〜9月期)は、米国のトウモロコシ生産量の増加見込みにより大幅に増加している。生産量は前月の予測から140万トン増加し6億6,200万トンとされている。国別に見ると最も増加が著しいのはルーマニアで良好なトウモロコシの育成条件により210万トン、中国のトウモロコシ生産量は政府の支援措置などもあり200万トン増加を見込んでいる。また、EU-25ではポーランドなどでトウモロコシやライ麦の生産が増加し130万トン増の1億4,500万トンと見込んでいる

●●●世界の飼料穀物消費量も増加●●●

 世界の飼料穀物消費量は、前月予測に比べ50万トン増加し、7億2,340万トンと見込まれている。国別に見るとルーマニア、中国のスターチなどの工業向け消費量が増加している。

 EU-25、豪州の消費量も同様に増加する見込みである。また、在庫量は生産量が落ち込むインドで200万トンの減少が見込まれている。しかし、全体では生産量の増加により減少分を補うとされている。2004/05年度の期末在庫量は100万トン増加し9,500万トンと見込まれている。

●●●中国は穀物の純輸入国へ●●●

 USDA/FASは、中国は今年、10年ぶりに穀物の純輸入国となるとの見通しを発表した。中国では、国内の穀物消費が堅調で供給量も厳しい状況が続いている。品目別に見ると小麦は、輸出は低調に推移しているが、輸入は毎月100万トンを超える勢いが続いている。輸入量、生産量ともに増加しているが、消費が好調なため、在庫量は引き続き減少すると見込まれている。

 中国政府は2004年8月にトウモロコシ輸出に対し300万トンの輸出枠をJGG(吉林穀物グループ)およびCOFCO(中国糧油食品進出口(集団)有限公司)の2社に告知したとされているが、新規契約手続きなどに時間を要しておりいまだに輸出の実績はないとされる。また、この輸出に対し何らかの支援措置が予定されている模様でありUSDAはその対応を注視している。


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