2003/04年度の乳製品輸出は過去最高を記録


◇絵でみる需給動向◇


●●●2003/04年度の乳製品輸出は前年度比8.9%増●●●

 世界最大の乳製品輸出国であるニュージーランド(NZ)は、2003/04年度も躍進を遂げた。スタティスティック・ニュージーランドの統計によると、2003/04年度における乳製品主要4品目の合計輸出量は、前年度比8.9%増の154万5千トンと、過去最高の輸出量を記録した。品目別に見ると、バターは26万7千トン(同15.3%増)、脱脂粉乳は31万1千トン(同4.2%増)、全粉乳は67万7千トン(同10.8%増)、チーズは29万6千トン(同4.5%増)とすべての品目で前年度を上回っており、昨年度において輸出量世界第1位(FAO調べ)の地位を占めたバター、全粉乳の品目では1割以上の伸びをみせた。

 また、2003/04年度における乳製品の輸出額は、51億5千万NZドル(FOBベース、約3,863億円、1NZドル=75円)と前年度と比べて9.2%高となっており、NZの全輸出産品のうち、17.9%のシェアを占めるに至っている。

図1 2003/04年度の乳製品輸出量の推移
資料:Statistics NewZealand
 注:貿易年度は7月〜翌年6月

●●●上昇を続ける輸出価格●●●

 乳製品輸出の拡大は、乳製品の国際価格の高騰によるところが大きい。2003/04年度の年初から年度末にかけて、乳製品主要4品目の輸出価格(スポット価格)は300〜1,000NZドル近く上昇した。調査機関の調べによると、2004年6月末におけるトン当たりの輸出価格は、バターで前年同期比27.3%増の2,798NZドル(約21万円)、脱脂粉乳で同9.7%増の3,263NZドル(約24万円)、全粉乳で同10.1%増の3,345NZドル(約25万円)、チーズで同35.5%増の4,148NZドル(約31万円)となった。

 輸出価格の高騰は、国際乳製品市場における供給量の減少による影響が大きい。オーストラリア、EUが前年度、天候被害の影響などで輸出量が減少したことから、NZは多数の供給契約を勝ち取ることができた。しかし、増大する乳製品の需要に対して、NZ単独で供給するには限界があり、常に需給がひっ迫傾向であったことから、年度を通じて価格が上昇した。

 なお、乳製品の輸出増は、NZドル高にあえぐNZの貿易赤字の縮小にも多大な貢献をしている。

図2 2003/04年度の乳製品輸出価格の推移
(スポット価格)
資料:Inventas Media社「AGBRIEF」
 注:貿易年度は7月〜翌年6月

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