2004年の生乳需給


◇絵でみる需給動向◇


●●●生乳生産量は、前年同期比0.1%減●●●

 米国農務省(USDA)によると、2004年の生乳生産量は第3四半期(1〜9月)までの累計で、前年同期を0.1%下回る5,833万5千トンとなった。カリフォルニア州、ウィスコンシン州など主要20州では、前年同期比0.1%増の5,074万6千トンとなった。さらに、全生乳生産量の約7割を占める上位10州について見ると、伝統的な酪農州では生産量が前年同期を下回っている一方、それ以外のカリフォルニア、アイダホ、ニューメキシコ、テキサスの各州ではそれぞれ前年同期を2.2、3.3、3.0、8.3%上回って推移している。

表 2004年1−9月の州別生乳生産量
(単位:千トン、%)
資料:USDA/NASS「Milk Production」

●●●経産牛飼養頭数の減少●●●

 生乳生産量は、前年同期と同水準ながら経産牛飼養頭数の回復が遅れている。1〜9月における平均経産牛飼養頭数は前年同期を1.9%下回る900万9千頭となった。しかしながら平均経産牛飼養頭数は3四半期連続で、前年同期を下回って推移しており、その減少幅は縮小しているものの、いまだに減少傾向が継続しており、第3四半期は前年同期と比較しても約40,000頭少ない水準となっている。

1頭当たり乳量もほぼ横ばい

 また、1〜9月における1頭当たり乳量は前年同期比1.0%増の6,476キログラムとなっている。USDAでは、飼料穀物の高騰による配合飼料価格の高騰に加え牛成長ホルモン(BST)の供給業者であるモンサント社がBSTの供給制限を行ったことも1頭当たり乳量の伸びを鈍化させている要因としている。2005年はこれらの状況も改善され1頭当たり乳量も増加が見込まれる。

図 経産牛頭数および1頭当たり乳量の推移
資料:USDA/NASS「Milk Production」他
 注:2004年の経産牛頭数は1−9月の平均値、乳量は年間の予測値

●●●供給減少により価格は前年を上回って推移●●●

 このような生乳生産の減少により、生乳農家販売価格(飲用向け乳価と加工原料乳価の加重平均)は、2004年3月以降前年同月を上回って推移しており、10月は前年同月比4.7%高の100ポンド当たり15.5ドル(1キログラム当たり約37円:1ドル=107円、以下同じ)となった。


元のページに戻る