農業委員会が書簡を提出
欧州議会農業委員会は先ごろ、フィッシャー・ボエル女史を欧州委員会の農業・農村開発担当委員に任命することを支持する旨の書簡を同議会議長に提出した。
なお、今回の書簡は、欧州議会農業委員会が10月6日に行った同委員候補に対するヒアリングの結果を踏まえたものである。
委員候補に不満、条件付きの支持
今回の書簡において、欧州議会農業委員会は、同委員候補に対する不満を述べており、その主なものは以下の通りである。
・ 同委員候補は、ヒアリングで出された質問に対して回答できなかったり、回答しようとしなかったことが非常に頻繁であった。
・ 同委員候補は、欧州議会に対していかなる約束もすることを避けた。特に、砂糖の改革について、そうであった。
・ 将来の農業・農村開発担当委員である同委員候補が、議会との対話を行おうとしていない。
・ 同委員候補の回答には、断固たる意思に欠けており、世界貿易機関(WTO)などの対外的な交渉の場面や、また、欧州委員会や欧州理事会など域内の各場面において共通農業政策(CAP)をしっかりと擁護する能力があるのか疑問である。
このような不満が出ているものの、同委員会の多数は、同委員候補を、欧州委員会の農業・農村開発担当委員に任命することを条件付きで支持した。
その条件は、欧州の農家の権利を守るための闘争心を示すこと、また、より一貫したやり方で欧州議会と緊密に協力することの二つである。
また、同委員会の一部には同委員候補が委員に適任ではないという意見もあることを明記している。
さらに、同委員候補およびバローゾ次期欧州委員会委員長に対して、当該書簡に示された同委員候補への懸念について返答することを求めている。
通商担当、保健・消費者保護担当の各委員候補も指示を獲得
全委員候補に対する欧州議会の関係委員会におけるヒアリングが終了し、それぞれの委員会からヒアリング結果を踏まえた各委員会の意見を記載した書簡が提出された。そのうち通商担当委員候補である、ピーター・マンデルソン氏については、欧州議会対外貿易委員会から、保健・消費者保護担当委員候補であるマルコス・キプリアヌ氏については同環境・公衆衛生および食品委員会と域内市場および消費者保護委員会から、それぞれ委員に任命することを支持する旨の書簡が欧州議会議長に提出されている。
当初の10月27日の欧州議会の総会において次期欧州委員会の承認に関する決議が行われることとなっていたが、ヒアリングにおいて不適とされた委員候補がいたことなどから、バローゾ次期欧州委員会委員長は決議にかけることを辞退し、委員候補の再選出を行うこととした。
早ければ11月中に所用の手続きを経て、欧州議会の採決を行うことになる。
なお、農業・農村開発担当、保健・消費者保護担当、通商担当の委員候補に変更はない。
◎スペインでブルータングの牛を発見
欧州委員会は10月14日、反すう動物に感染する恐れのある伝染性疾病であるブルータングに罹患した牛が13日にスペインのカージス県で発見されたことを公表した。同時に、スペイン南部のセビリア県、マラガ県、カージス県などの地域からの生きた反すう動物、精液、卵および受精卵の移動を禁止する措置を講じている。
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