シンガポールへ家きんなどの輸出再開   ● マレーシア


6週間ぶりの輸入再開

 マレーシアは9月30日、高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されたことを受けてシンガポール食品獣医局(AVA)が8月18日以降行っていたマレーシア産の家きんおよび鶏卵などの輸入停止措置を一部解除したため、6週間ぶりに輸出を再開した。家きんなどの生産地を同半島南部のジョホール州とマラッカ州に限っての解除である。

 現在も発生地のケランタン州での鳥インフルエンザは終息確認がなされておらず、これまでに約1万4千羽の家きんが処分されており、同州以外の州での発生が認められた場合には、シンガポールは再度輸入を停止するとの条件を付している。

 今回の輸入停止措置一部解除についてAVAは、これまでに3回にわたり、マレーシア当局の鳥インフルエンザへの対応措置が国際基準を満たしているかどうか、かつ実効性があるかどうかの確認作業を進めてきたが、その措置が満足できるものであるため一部解除を行うとしており、シンガポールの公衆衛生と家畜衛生を守る上での妥協はしないとしている。

マレーシア獣医局(DVS)の措置

 今回の一部解除に伴い、マレーシア獣医局(DVS)がAVAと合意した主な措置は次の通りである。

 (1)鳥インフルエンザをケランタン州に封じ込めるため、他州との境界に検問所を設置し、他州に鳥の搬出が行われないよう監視の実施、(2)ジョホール州とマラッカ州に外接して緩衝地帯(バッファーゾーン)を設け、病気の侵入監視を実施、(3)他州から家きんや鶏卵などの同2州へ流入を規制、(4)国外から同2州への家きんなどの流入を規制、(5)同2州のAVA認定農場(シンガポールは輸入する家きんおよび鶏卵などの生産農場に対してAVAが認定をしている。)の製品に対する輸出許可前の検査の実施、(6)同2州からシンガポールに輸出される家きんなどの輸出前検査の実施−となっている。

輸出量と認定農場

 鳥インフルエンザ発生前は、マレーシアはシンガポールに1日当たり生鶏12万羽、同アヒル2万羽、鶏卵200万個を輸出していたが、供給元が2州に限定されることにより、供給量も制限されることとなる。

 輸入再開当初は、1日当たり生鶏15万羽、生きたアヒル2千羽、鶏卵130万個と見込まれているが、特にアヒルが以前の10分の1しか供給されないのは、発生前の認可農場41のうち37農場がケランタン州の西にあるペラ州にあるためで、輸入可能な2州には3農場しかないためである。

 また、これらの2州には鳥インフルエンザ発生前には130のAVA認定農場があったが、発生後改めてAVAが行った検査により95農場しか認定されなかった。なお、AVAは、今回認定を外れた農場も野鳥の侵入を防ぐ網を整備するなどの改善を確認後、順次認可を進めるとしている。

一層の検疫の強化

 今回の措置に関連してDVSは、野生動物局と協力して渡り鳥の監視を行っていることを明らかにするとともに、ケランタン州での鳥インフルエンザの監視の強化はもとより、空港、列車やバスの乗合所に監視官を派遣して鳥の密輸出を防止することとし、特にタイとの国境での検査体制を強化することで、密輸の動きを抑えていくとしている。


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