物価対策会議を開催 フィリピン農務長官は10月5日、これから年末年始にかけての畜産物価格を安定させるため、畜産団体など農業団体を集めて対策会議を開催した。結果は、各品目とも十分な供給が見込まれるとともに、各団体が価格の安定に協力することとなった。 農家販売価格と小売価格の差 食肉が不足するとの論評のとともに、同日行われた上院の貿易産業委員会でのブロイラー生産者組合協会(UBRA)の同会長はラジオ放送の中で、「農家販売価格が低いため、生産意欲が減退し、鶏の飼養羽数は減少している一方で、1キログラム当たり54〜56ペソ(102〜106円)だったものが、40ペソ(76円)に落ち込んでいる。この価格は、60ペソ(114円)の生産原価を下回っている。また、ウェットマーケットでの小売価格は90ペソ(171円)を超える水準を維持しており、理解に苦しむ」と述べた。 流通業者の見解 鶏肉の供給不安に関して、同国ブロイラーインテグレーターズ協会(PIBI)は、自国の鶏肉産業は十分な供給量がある上に冷凍品の在庫もあり、供給に関しての心配は不要と説明した。また、農家販売価格が下落した背景については、政府が国内価格安定を理由に、低率関税で2万3千トンのミニマムアクセス輸入のほかに特別セーフガードを6月に中断し、別に5千トンの輸入枠を設定して急激な輸入を行ったための供給量の増加によるとしている。 流通パイロット事業 このような鶏肉を含む農産物の供給と価格の問題に関して、農務長官は、供給量の動向が小売価格に反映する流通形態を構築することで、生産、加工そして流通コストが削減されると考えており、現在、ミドルマンと言われる中間業者が介在することによって上昇するコストをできるだけ削減するため、生産者と小売業者を近づける計画を進めている。 |
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