中国の酪農


急速な発展を続ける中国酪農産業

 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)の報告によると、中国の酪農産業は消費者の飲用乳とヨーグルトの需要の高まりとともに急速に発展している。2005年の生乳生産量は前年比約25%増加すると予測されている。しかしながら2003年に比べて、生産費の増加を受けてその成長速度は鈍化するとされている。

 生乳の供給不足が中国の酪農産業において脆弱な部分となっている。公式な統計数字がないためUSDAの推測によると2003年の搾乳牛の飼養頭数は340〜440万頭、2004年は360〜540万頭に増加するとされ、中国農林省や中国酪農協会の専門家によると1頭当たりの年間生乳生産量は、3.5〜4トンと考えられている。1頭当たりの生乳生産量は過去10年間大きな変化はない。

 中国の酪農産業の発展の阻害要因としては、野草地の品質低下、飼料穀物の耕作適地の減少、深刻な水不足と高品質な乳牛の不足が挙げられる。

乳製品需給

 2005年の乳製品の輸入量は全粉乳が前年比24%増の11万3,000トン、脱脂粉乳が同23%増の10万トンの輸入量と見込まれている。これらの輸入量の増加は上・中流階層の需要増と12名の乳幼児の死者を出した国産育児用紛乳の劣悪製品問題により輸入紛乳への需要が高まっているためとされている。

遺伝的改良を期待

 2004年は豪州やNZから中国へ種畜や遺伝子の輸入が行われた。中国では2003年12月に確認された米国のBSEにより、米国からの生体家畜や遺伝子などの輸入が停止されている。中国政府は2004年9月28日、BSE発生国からの牛の精子、受精卵などについて輸入を再開したが、実際の輸入に係る輸入衛生条件の締結など輸出国との条件整備が必要である。これらの条件が整い、輸入が再開されれば、大手の酪農会社は大規模な牛群構築と生乳生産量の増加を目的とし乳牛の遺伝的改良を行うために、豪州、NZだけでなく米国からのそれらの輸入が2005年以降急増するものと見込まれる。


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