カナダ政府、BSEサーベイランス調査頭数を拡大


今後、BSEサーベイランス調査頭数を30,000頭まで拡大

 カナダ食品検査庁(CFIA)は9月17日、2005年以降のBSEサーベイランス調査頭数の拡大などについて発表した。ミッチェル農業・食品大臣は、「強力なサーベイランス調査の実施は、国内外の信頼を得ることにつながるとともに国際市場の維持・拡大おいても重要なことである」と述べた。

 CFIAは、本年9月28日時点で6,046頭のBSE検査を実施し、すべてが陰性と診断されている。本年末までには最低8,000頭を検査するとしているが、今回の発表により検査頭数が年間30,000頭まで拡大することになる。対象牛などは次の通り。

・ 対象牛:神経系症状を呈したすべての牛、30カ月齢以上の死亡牛(Dead or Dying)、病牛または起立不能牛(Diseased or Down)。

・ サンプリング場所:農場、連邦・州・準州のと畜場、レンダリング施設、へい獣処理場、大学などの家畜診療機関。

・ BSEサーベイランス:スクリーニングのための1次検査として迅速検査を行う。疑陽性と判断されたサンプルは、ウイニペグにある国立海外家畜疾病センター(National Center of Foreign Animal Disease)において免疫組織化学的検査(IHC)による確定診断を実施する。

CFIA、生産者への啓もう普及と検査対象牛供出農家などに対する支援策を実施

 CFIAでは、生産者などに対する啓もう普及を図る目的で、サーベイランス調査の目的やサンプリングの対象となる牛の識別などについて問答集の作成やパンフレットの印刷・配布を行っている。これらには、前述のサンプリング対象牛や場所の情報に加え、(1)サーベイランス調査の実施が食品の安全性を保証するわけではなく、カナダの牛のBSE浸潤度合いを確認するものであること(2)サーベイランス調査頭数を拡大し、国際獣疫事務局(OIE)によるBSE最小リスク国の基準に合致しているか検証すること(3)と畜段階での特定危険部位(SRM)の除去と飼料規制がBSE感染を予防する方法であること(4)CFIAが検査の実施に関する権限を持つことなどが整理されている。

 さらに、CFIAは、生産者、レンダリング業者、へい獣処理業者などに対し、サンプリングによる集荷・廃棄処理や農場での獣医師診断に係るコストについて財政上の支援を行う弁償プログラム(Financial Reimbursement Program)を実施するとし、調査実施に協力する生産者などへの支援のため、今後2005年末までに410万カナダドル(約3億6,100万円、1カナダドル=88円)を歳出する予定であるとしている。

各州と連携した調査の実施が重要

 CFIAは、拡大するサーベイランス調査と弁償プログラム実施の最大の成果を得るために、州および準州との提携が重要であるとしている。これを受けアルバータ州政府は同日、CFIAのサーベイランス調査拡大に対する州の連携と弁償プログラムにおける追加的な州予算を確保すると発表している。アルバータ州のマクレラン副首相兼農業・食品・農村開発大臣は、「アルバータ州は、このサーベイランス調査を全面的にサポートするとともに調査対象を精力的に追求することを明確にする。また、支援策(代償プログラム)は、調査実施を強化するための推進力になる」と述べた。CFIAでは、アルバータ州以外の州・準州にあっても、代償プログラムなどに対する追加的な予算確保への取り組みが進められているとしている。


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