ブリュッセルで会合が開催
EUと日本の関係者による豚肉の需給動向などについての情報交換会合が、2003年11月25日ブリュッセルで開催された。この会合には、日本からは農林水産省食肉鶏卵課の本川課長(現予算課長)、和田専門官、日本国政府EU代表部の鳩山参事官、仙台書記官が、また、欧州委員会からは、農業総局のロンゴ日本等担当課長、ナゲル豚肉部門長らが出席した。
会合では、和田専門官およびナゲル部門長による、日本、EUそれぞれにおける豚肉の需給動向の説明、出席者による意見交換が行われた。
2004年のEUの需給は安定、価格はやや上昇
欧州委員会から説明されたEU全体における豚肉の需給動向などは以下のとおり。
1 2003年の状況
(1)生産
近年安定的に推移。2003年の生産量は現在の加盟15カ国では1,770万トン(対前年比99.6%)とわずかに減少、来年の加盟予定国では431万トン(対前年比104.5%)と増加する見込み。
(2)輸出
EUの豚肉輸出において、2002年は、数量ではロシア向けの輸出が最大であったが、今年は、ロシアが輸入食肉に対する関税割当制度を導入したことから、EUからの輸出が減少。このため、数量、金額ともに、日本向けの輸出が最大。2003年1月から8月までのEUの豚肉輸出全体に占める日本の割合は、数量で20.4%、金額で39.3%。
(3)価格
2002年後半以降、低水準で推移。2003年の夏場は猛暑などを反映し、バーベキュー需要が増大したことなどから、比較的良い価格であったが、その後低下。現在のEU15カ国の市場価格は、100キログラム当たり125ユーロ(約1万6,900円、1ユーロ=135円)程度で推移。
この価格水準では、生産者の生産コストをカバーするには十分ではないとのこと。
2 2004年の予測等
(1)生産
2004年5月には、EUは拡大し、現在の15カ国から25カ国体制となるが、豚肉の需給については、国により生産を拡大できるところもあれば、環境問題などから拡大できないところもあるため、全体として2004年は2003年に比べ大きな変化はないものと予測。
(2) 輸出
新規加盟国における経済成長などから豚肉の消費が拡大し、既存の加盟国から、新規加盟国への輸出が拡大する可能性もあり。
また、ロシアは、2004年の関税割当枠については、過去の実績(1999年〜2001年)に基づいた国別の輸入枠を設定する見込みであるため、EUのロシアへの輸出は2003年よりも拡大すると期待。
(3)価格
生産頭数などの調査結果を基に、関係者が今後の価格を予測した結果は次のとおりであり、やや上昇。
2003年第4四半期
:100キログラム当たり126.84ユーロ (約1万7,100円)
2004年第1四半期
:同129.99ユーロ(約1万7,500円)
同年第2四半期
:同136.28ユーロ(約1万8,400円)
同年第3四半期
:同136.91ユーロ(約1万8,500円)
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