2003年12月24日に米国農務省(USDA)から発表された米国でのBSE発生に対して、アセアン各国はそれぞれ次のような対応を示した。 タイ 政府は12月24日、米国産牛肉製品と生体牛の輸入を停止した。保健相は、「米国産牛肉はレストランやスーパーマーケットでの提供を中止し、食品医薬品局(FMD)に監視させるべき」とのことであったが、FMDの局長は、「輸入停止前に正規の手続きにより輸入されたものは安全である」としたことから、少し混乱が見受けられる。2002年には約300トンの米国産牛肉が輸入されている。 フィリピン 政府は12月24日、当面の措置として米国産牛肉のうち、除骨されていないものおよび内臓肉の輸入を停止した。また26日には、米国での発生が確実になったため、安全性が確認されるまでの予防的措置として、米国産牛肉の輸入を全面的に停止した。2003年の直近の統計では、米国産牛肉は約2,800トンが輸入され、この量は牛肉輸入量の約8%に当たるとしている。 マレーシア 政府は12月24日、米国産牛肉の輸入を停止したが、この措置は状況に応じて変更されるとしている。2003年1月〜9月の米国産牛肉の輸入量は120トンで、全体輸入量の0.3%にすぎず、主要な輸入先はインドと豪州であり、輸入停止による需給上の影響は小さいとされている。 シンガポール 政府は12月24日、米国産牛肉の輸入を停止した。しかしながら、それまでに輸入されていたものについては、これまで米国でBSEの発生がなかったということで特別の規制は敷かれていない。しかしながら、同国の規則により、BSEに対する安全が確認された場合でも、当該発生国からの牛肉輸入は6年間できないこととなっている。今回の措置までに2003年には、約900トンの米国産牛肉が輸入されている。 ベトナム 政府は12月25日、米国からの牛肉製品の輸入を停止した。その主なものは飼料用の骨粉であり、これの反すう動物用飼料への使用を禁止した。2003年1月〜9月の米国産牛肉製品の輸入額は12万5千ドル(1,350万円、1ドル=108円)であった。 ブルネイ 政府は12月29日、米国産牛肉およびその関連製品であるソーセージやスープ等の輸入を停止した。しかしながら、この措置以前に輸入されたものについての規制はしていない。 カンボジア 政府は12月27日、近年の輸入実績はないものの、他の周辺国の措置に同調する形で米国産牛肉の輸入を禁止した。 |
元のページに戻る