対日輸出価格、高水準を維持


◇絵でみる需給動向◇


●●●輸出価格、日本における米国産牛肉の輸入停止措置以降高値で推移●●●

 豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)によると、4月のグラス・フルセットの対日輸出価格は前年同月比19.4%高の1ポンド当たり199米セント(約 221円:1米ドル=約111円)となり、日本における米国産牛肉の輸入停止措置以降、高水準を維持している。前月(183.3米セント 約203円)、前々月(175.0米セント 約194円)と比較すると、それぞれ8.6%、13.7%上回った。

 2004年の年明け直後は、米国産牛肉の輸入停止措置による混乱から一時的に豪州産牛肉の対日輸出価格に急騰を招いたが、2月に入って落ち着きをみせ緩やかな下落傾向が続いていた。しかし、4月に入って米国産牛肉の在庫減少と外食産業などのメニュー変更を背景に豪州産牛肉の代替需要が増加したため、対日価格は一転上昇に転じた。

図1 対日牛肉価格の推移

資料:MLA「Overseas market statistics」

●●●3月のと畜頭数は増加●●●

 豪州統計局(ABS)によると、3月の肉牛のと畜頭数は、前年同月比を6.1%増の6万9千頭となり、1年ぶりに増加に転じた。

 干ばつの解消に伴う生産者の増頭意欲の高まりから、と畜頭数は2004年2月まで前年を下回って推移していた。しかし、豪州南部地域において、3月の降水量が平均を大幅に下回り干ばつの懸念が再燃したこと、および日本における豪州産牛肉の需要が増大したことから、3月に入ってと畜頭数が増加に転じたとみられている。

●●●生産者価格は下落●●●

 一方、と畜頭数の増加から、生産者価格は下降基調で推移している。MLAによる3月の肉牛の生産者販売価格をみると、豪州国内向けが中心のニューサウスウエールズ(NSW)州若齢牛、日本向けが中心のクインズランド(QLD)州肥育牛、米国向けが中心のQLD州経産牛は、それぞれ前年同月比2.1%高の288.8豪セント(約234円:1豪ドル=約81円)、同13.0%安の289.3豪セント(約234円)、同13.0%安の243.5豪セント(約197円)となっている。

図2 肉牛の生産者販売価格の推移

資料:MLA「Meat and Livestock Weekly」



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