●●●2002年11月以降前年同月を上回る●●●
米国農務省(USDA)によると、肥育牛価格(去勢牛、チョイス級、生体重量1,100〜1,300ポンド、ネブラスカ州)は2002年11月以降、18ヶ月連続して前年同月を上回って推移しており、2004年4月も前年同月比9%高の100ポンド当たり86.4ドル(キログラム当たり211円:1ドル=111円)と高値を示している。
また、牛肉卸売価格(チョイス級、枝肉550〜700ポンド)も2002年11月以降前年を上回っており、2004年4月は前年同月比15.6%高の同153.8ドル(約376円/kg)となった。
●●●BSEによる消費への影響確認できず●●●
このように、価格が前年を上回る水準で推移しているのは、2004年はキャトルサイクルにより飼養頭数が最低となる年とされており、さらに1頭当たり枝肉重量の減少やと畜頭数の減少などにるよる供給減を反映したものとみられる。1頭当たり枝肉重量は、2002年10月以降350キログラム台と過去最高水準で推移したものの、2003年平均340キログラム、2004年4月は前年同月比0.5%増の333キログラムと減少している。
米国では2003年12月23日に牛海綿状脳症(BSE)が確認されているが、2004年第一四半期の1人当たりの牛肉消費量は、前年同期比3.7%減となっているが前四半期比では4.7%増の約7キログラムとなっており、BSEによ牛肉消費の減少は確認できない。
USDAによる見通しでは、2004年は、引き続き供給減と強い需給により、肥育牛価格も強含みで推移すると予想している。
図1 1頭当たりの枝肉重量の推移
資料:ERS/USDA「Livestock,Dairy and Poultry Outlook」
●●●肥育素牛価格も上昇●●
肥育素牛価格は、2003年6月以降、前年同月を上回って推移しており、4月の肥育素牛価格(オクラホマシティの市場価格、去勢、600〜650ポンド)は、前年同月比23.62%高の100ポンド当たり107.4ドル(263円/kg)となった。肥育素牛価格は、2001年11月以降、前年同月を下回って推移していたが、肥育牛価格の高騰を受け上昇したものとみられる。
図2 肥育素牛価格
(去勢牛、オクラホマシティ、600〜650ポンド)
資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
|