世界の飼料穀物生産は増加を見込む

◇絵でみる需給動向◇



●●●米国の生産予測はほぼ横ばい●●●

 米国農務省(USDA)が2004年4月に公表した予測によれば、2003/04年度(10月〜翌年9月)における米国の主要穀物(トウモロコシ、ソルガム、小麦、エンバク)の生産量は、全体で109億4,600万ブッシェル(2億7,803万トン)となり、米国の主要穀物の生産予測は2004年2月から変化していない。

 一方、農家販売価格は国際市場の好調な需要を反映しトウモロコシは前年度比0.4〜9%高のブッシェル当たり2.35〜2.55ドル(256〜278円、1ドル=109円)、ソルガムは前年度比0.1安〜5%高の2.35〜2.55ドル(同256〜278円)、小麦は前年度比12.9〜21%高の2.80〜3.00ドル(同305〜327円)と見込まれている。


●●●世界の穀物需給●●●

 2003/04年度の世界の穀物生産は、メキシコでの生産量が100万トン増加し2,000万トンに達するとの予測もあり、330万トン増加し8億8,700万トンと見込まれる。

 国別にみると豪州が特に小麦の生産地域で天候に恵まれ記録的な収穫量となり70万トン増加の1,300万トンとなりソルガムについても同様に高い収穫量が見込まれる。インドは降雨に恵まれており米の収穫が期待され70万トン増加、EUはフランスのトウモロコシ生産について干ばつの影響が当初の見込みに反し少なく40万トン増加、フィリピンでも降雨の影響によりトウモロコシ生産が35万トン増加し485万トンに達するとされた。

 また、世界の穀物消費量は250万トン増加し9億3,200万トンとなり、ウクライナではトウモロコシと小麦の消費が60万トン増加すると見込まれ、メキシコ、インドでは高収穫が見込まれるトウモロコシと米の消費が増加するとされている。

 これにより、各国で生産量がわずかではあるが増加し、一時歴史的な低水準となった在庫量はやや改善され120万トン増加し1億100万トンとなる。

 世界の飼料穀物貿易量は、小麦で増加したもののトウモロコシで50万トンほど減少し7,800万トンと見込まれる。


●●●2004/2005年度の中国の大豆輸入は増加●●●

 2003年の中国の大豆輸入量は2,142万トンと公表された。これを受けてUSDAでは2003/04年度は中国における鳥インフルエンザの影響と大豆価格の高騰によりUSDAの昨年の輸入予測を下回ったものの2004/05年度は短期的には鳥インフルエンザによるとう汰などの影響は大きいが、長期的にみると中国の作付面積の問題、好調な経済、年間600万人近い人口の増加などを背景に2,500万トンに達すると見込まれる。



元のページに戻る