2004年の生乳生産量は微減、生乳価格は高騰


◇絵でみる需給動向◇


●●●2004年第1四半期生乳生産量は0.9%減●●●

 米国農務省(USDA)によると、2004年1〜3月の搾乳平均牛飼養頭数は前年同期比1.7%減の889万1千頭、生乳生産量は前年同期比0.9%減の1,936万3千トンとそれぞれ減少した。生乳生産量を1〜3月の月ごとに見るとそれぞれ1.3%減652万7千トン、1%増615万9千トン、2.1%減667万7千トンとなった。また、1頭当たりの四半期平均乳量は同0.8%増718キログラムとなった。

 一方、主要な乳製品の品目別生産量は、生乳生産の減少から2004年第1四半期はバター、脱脂粉乳は大幅に減少、チーズはやや増加した。2003年3月には、チーズは前年同期比5.6%増の100万6千トン、バターは同22.7%減の15万2千トン、脱脂粉乳は同24%減の16万トンなり2品目で前年同月を下回った。

図1 チーズの生産量の推移
資料:USDA「Dairy Products」,「Dairy Market News」

●●●生乳価格は高騰●●●

 以上のように生乳生産量の減少がする中、乳製品向けの加工乳の供給減が要因となり、2003年4月の生乳価格(飲用向けと加工原料向け乳価の加重平均価格)は前年同月比63.6%高の100ポンド当たり18ドル(キログラム当たり44円、1ドル=111円)、加工原料乳価格が同87.9%高の18.6ドル(約46円)となった。いずれも速報値であるが、特に加工原料乳価格については、スポット買いが集中したため、極端な値上がりを示し、全生乳価格との逆転が生じた。これらの価格が100ポンド当たり17ドル台を超えたのは1999年12月以来、実に3年ぶりとなっている。

 また、2004年3月の品目別民間在庫量は、チーズは前年同月比1.8%減の34万3千トン、バターは前年同月比36.7%減の7万8千トン、脱脂粉乳は前年同月比19.9%減の4万5千トンとなった。

図2 チーズの民間在庫量の推移
資料:USDA「Dairy Products」,「Dairy Market News」

●●●2003年は生産額は増加も総所得は減少●●●

 USDAが先ごろ発表した「Milk Produc-tion, Disposition, and Income 2003」によれば、2003年の全米の生乳生産量は169億2千万ポンド(7,675万トン)、乳脂肪624万6千ポンド(283万トン)となっており、生産額は前年比3.3増の213億6,971万ドル(約2兆3,720億円)総所得は、同3.1%減の212億2,769万ドル(約2兆3,562億円)となった。



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