と畜頭数増加も肥育豚価格堅調


◇絵でみる需給動向◇


●●●と畜頭数の増加が継続●●●

 米国農務省(USDA)の発表によると、2004年3月の豚と畜頭数は前年同月比4.4%増の870万頭となった。2002年後半から繁殖雌豚飼養頭数の減少、子豚生産頭数の減少が続いている中、2003年のと畜頭数は前年同月を上回って推移している。

図1 と畜頭数の推移

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Situation and Outlook」

●●●肥育豚価格高騰●●●

 肥育豚価格(生体重換算、全米平均取引価格)は、2002年末から上昇(対前年減少率が縮小傾向)を示し18カ月ぶりに前年同月を上回った。2003年4月以降、前年同月を上回って推移している。2004年4月の肥育豚価格は、前年同月を31.1%上回る100ポンド当たり47.8ドル(キログラム当たり117円:1ドル=111円)となった。

 2004年3月期の豚総飼養頭数は前年同期を上回ったが、繁殖雌豚飼養頭数、子豚生産頭数の減少はいまだ継続しており肥育豚の価格は引き続き堅調に推移すると考えられる。 (上図参照) 

●●●カナダからの生体輸入は増加●●●

 一方、米国内の堅調な肥育豚価格を受けてカナダからの生体豚の輸入頭数が増加傾向となっており。USDAによると、米国の生体豚輸入は、そのほとんどすべてがカナダからの輸入となっている。肥育豚(と場直行)と110ポンド未満(約50キログラム未満、肥育向け子豚)に分類される。カナダからの生体豚輸入は、2004年2月は前年同月比49%増の67万頭となった。その内訳をみると肥育豚が前年同月比85.8%増の22万4千頭、110ポンド未満が同35.8%増の44万6千頭となった。米国の肉豚供給量の減少をカナダの輸入生体豚が補う形が顕著となった。

 カナダでは豚肉の需要が落ち生体の取引価格が軟調傾向となり、価格が堅調な米国への輸出が増加している。

図2 カナダからの生体豚輸入頭数の推移

資料:USDA「Livestock, Dairy and Poultry Situation and Outlook」



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