デイリー・オーストラリア(DA)が12月に公表した「In Focus 2003」によると、2002/03年度のチーズ生産量は、生乳生産量が減少したことからすべての種類で生産量が減少し前年度比10.8%減の36万8,019トンとなった。種類別にみるとチーズ生産量全体の半分以上を占めるチェダータイプが同6.0%減の20万9,572トン、セミハードタイプとフレッシュタイプは大幅に減少して、それぞれ同18.5%減の8万3,824トン、同22.0%減の5万9,796トンとなっている(図1)。
図1 チーズ種類別生産量の推移 |
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資料:DA「In Focus 2003」
注:2002/03年度は速報値
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● ● ● 国内の消費量は増加傾向 ● ● ●
豪州のチーズ1人当たりの年間消費量はここ数年増加傾向にあり、2002/03年度は12.0kg/年と前年度より0.4Kg増加した。スーパーマーケットでのチーズの販売数量を見ても前年度比3.4%増の12万8,293トンと増加している。この販売数量のうちチェダータイプが74.6%を占め、9万5,700トンと同1.6%増加している一方、販売数量は少ないもののフレッシュタイプやカビタイプなどの販売量も着実に伸びており、それぞれ同10.7%増の1万6,113トン、同11.3%増の3,505トンとなった。このように近年では食生活の多様化などによりチェダーチーズ以外の消費も伸び、チーズ消費増加の一助となっている。
● ● ● フレッシュチーズの輸出量が大幅減 ● ● ●
チーズの輸出量も生産量が減少したため前年度比4.5%減の20万7,754トン、輸出金額は国際価格の低下などから同22.9%減の7億9,515万豪ドル(約660億円;1豪ドル=83円)となった。輸出先別にみると、特にアジア向けが大幅に減少し、19.9%減の114,176トンとなっている。また、最大の輸出相手先は日本で、前年比29.1%減の73,029トンとなったが、依然として豪州の重要な輸出市場であることに変わりはない。なお、前年度は大幅に減少した欧州向けが増加に転じ、前年度の約2倍の38,682トンとなった(図2)。
種類別に見ると、前年度まで増加傾向にあったフレッシュタイプが大幅に減少し36.3%減の35,148トンとなった(図3)。チェダータイプとフレッシュタイプ以外のチーズはここ数年横ばい状態となっているため、チェダータイプとフレッシュタイプが今後の輸出動向を左右すると考えられる。
図2 チーズ輸出量の推移 |
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資料:DA「In Focus 2003」
注:2002/03年度は速報値
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図3 チーズ種類別の輸出量推移 |
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資料:DA「In Focus 2003」
注:2002/03年度は速報値
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