ニュージーランド(NZ)農林省(MAF)が2003年12月に公表した短・中期予測によると、2003/04年度(2003年6月〜04年5月)の主要乳製品の生産量は、前年度より3.1%増加の189万6千トンと予測している。その後も生乳生産量の増加に伴い乳製品の生産量は増加するとみており、3年後の2006/07年度には2003/04年度と比べ13.8%増の215万7千トンと予測している。 製品別では依然として粉乳類の生産が中心となっており、2003/04年度以降も乳製品生産量の半分を占めている。 ● ● ● 乳製品輸出量も一貫して増加 ● ● ●一般的に、NZでは生産された乳製品のうち90〜95%が海外へ輸出される。主要乳製品の輸出量は、2003/04年度においてはチーズ、全粉乳、カゼインが前年度より減少するものの、バター、脱脂粉乳がかなり増加することから前年度より1.2%増加の179万7千トンと予測している。乳製品の世界的な需要は強いため、乳製品価格は中期的にも世界の供給量が増加するにもかかわらず上昇が続くと見込まれていることから、NZの乳製品輸出も一貫して増加するとみている。 ● ● ● 中国の乳製品消費拡大に期待 ● ● ●NZの主力輸出製品である粉乳の輸出先は主にアジア諸国で、中でもフィリピン、マレーシア、中国の3国が上位を占める。特に中国向けは2002/03年度の粉乳の輸出量が前年度の2倍となった新市場でもある。MAFでは今後、最も乳製品消費の増加が期待される市場として中国を挙げている。NZの最大手乳業株式会社フォンテラの子会社ニュージーランドミルク社は、昨年11月下旬に中国の6大乳業会社の1つであるサンル(Sanlu)社と合弁事業を計画していることを発表しており、水面下では中国市場へ向けての準備も着々と進められている模様である。
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