米農務省(USDA)によると、12月の豚と畜頭数は前年同月比1.6%増の955万頭となった。2002年後半から繁殖雌豚飼養頭数の減少、子豚生産頭数の減少が続いたため、2003年4月からと畜頭数が前年同月を下回り推移したが6月から増加傾向に転じている。
と畜頭数の推移
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資料:ERS/USDA「Livestock, Dairy and Poultry and Outlook」
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● ● ● BSEの発生に伴う海外での代替需要増
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肥育豚価格(生体重換算、全米平均取引価格)は、2001年10月以降おおむね前年を下回って推移したが、2002年末から上昇(対前年減少率が縮小傾向)を示し2004年4月には18カ月ぶりに前年同月を上回った。2003年12月の肥育豚価格は、前年同月を11.3%上回る100ポンド当たり36ドル(キログラム当たり85円:1ドル=107円)となった。
2004年はBSEにより牛肉の輸入停止措置を行っている輸入国が牛肉の代替需要として豚肉の供給を望むため、今後も堅調な価格が期待できるとしている。一方、輸入国における牛肉の輸入停止措置が長期化すれば、輸出向け牛肉を国内に仕向けざるを得ないため、国内供給量が増加し、牛肉価格が軟調となり、豚肉価格と競合する可能性が高いと懸念する見方も出ている。
(上図参照)
● ● ● 2004年のと畜頭数は増加見込み
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USDAは、好調な需要に支えられ今後、カナダからの輸入頭数の増加(カナダドル安の影響)と米国内での肥育頭数が増加するとしており、2004年は1999年の史上最高のと畜頭数であった1億150万頭(豚肉生産量193億ポンド(約87億トン))に迫る1億100万頭がと畜されるとしている。また、近年の傾向として1頭当たりのと畜重量が増加傾向にあり豚肉生産量は200億ポンド(約90億トン)に達するとものとされている。
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