欧州委員会、タイ産鶏肉等の輸入を一時停止


 欧州委員会は1月23日、タイにおいて鳥インフルエンザの発生が確認されたことから、鶏肉および鶏肉製品(70℃以上で加熱処理されたもの等を除く。)の輸入を一時停止することを決定した。これにより本年1月1日以降にタイ国内で食鳥処理されたものは、輸入できないこととなった。EUはタイから鶏肉や鶏肉製品を2002年に12万トン、2003年の1月から10月までに12万8千トンを輸入している。

 また、EUのフードチェーン・家畜衛生常設委員会は2月3日、欧州委員会保健・消費者保護総局から提案のあった、鳥インフルエンザの発生があったアジアの国からの鶏肉・鶏肉製品(70℃以上で加熱処理されたものを除く。)およびペット用小鳥の輸入の一時停止措置を継続することに合意した。これにより、タイからの鶏肉・鶏肉製品およびカンボジア、インドネシア、日本、ラオス、パキスタン、中国、韓国、タイ、ベトナムからのペット用小鳥の輸入を国際獣疫事務局(OIE)のガイドラインに基づき、2004年8月15日までの6カ月間一時停止することを決定した。この一時停止措置は、アジアでの鳥インフルエンザの状況を評価しながら見直していくこととなっている。発生が沈静化すれば、この措置の解除が早まる可能性もあるとしている。

 こうした中、欧州委員会は2月11日、ベトナムにおける鳥インフルエンザ対策を支援するため、100万ユーロ(約1億3,300万円、1ユーロ=133円)を支出することを公表した。この資金は、世界保健機関(WHO)、国連食糧農業機関(FAO)およびOIEからの要請に応えるもので、緊急に必要な防護服等の購入に活用されると見込まれている。

 今回の支援公表に際し、欧州委員会のデビッド・バーン保健・消費者保護担当委員は、「ベトナムは世界的に取り組んでいる鳥インフルエンザとの戦いの最前線となっており、この病気は、単にその地域のみならず、全世界に脅威を与えている。この戦いを支援することはわれわれの義務である」とのコメントを発表している。なお、欧州委員会は、既にEUの専門家をベトナムに派遣している。


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