2004年3月は鶏肉価格が高騰


◇絵でみる需給動向◇


●●●生産量は増加●●●

 米農務省(USDA)によると、2003年3月のブロイラー生産量(可食処理ベース・骨付き)は、2003年11月から前年同月を上回って推移し14.3%増の134万1千トンとなった。

 また、2004年2月の生体の生産者販売価格は前年同月比38.2%高の1ポンド当たり47セント(キログラム当たり111円、1ドル=107円)となり2003年2月以降、前年同月を上回って推移しているが、今年に入りさらに高騰している。

図1 生産者販売価格の推移
資料:USDA/ERS
「Livestock, Dairy and Poultry Situation and Outlook」

 

●●●卸売価格は高騰●●●

 ブロイラーの卸売価格(12都市平均丸どり価格)は、2003年1月から前年同月を上回って推移しており、2004年3月は前年同月比26.9%高のポンド当たり75.6セント(同178円)となった。部位別に見ると、需要の大きいむね肉(ボンレス、北東部)は同29.6%高の192セント(約453円)となり、国内需要の堅調さが伺える。また、主要な輸出品目であるもも肉(ホール、北東部)は2003年7月から前年同月を上回る水準で推移しており、2004年3月の卸売価格は、同42.3%高のポンド当たり47セント(同111円)となった。

 2003年は、米国における家きん疾病(ニューカッスル病、低病原性鳥インフルエンザ)の発生により輸入国の輸入停止措置などによる輸出の不調を反映し、もも肉は低調に推移していたが、2003年下半期に入り輸出が再開されるとともにもも肉の需要が回復したものと考えられる。さらに今年に入り牛肉、豚肉価格が依然高値で推移していることから代替需要としての鶏肉の価格も高騰が続いているものと考えられる。

●●●冷凍鶏肉の在庫量減少●●●

 一方、冷凍鶏肉の在庫量は、好調な需要を反映して2003年1月以降前年同月を下回って推移しており、2004年2月は前年同月比24.8%減の24万7千トンとなった。

 USDAでは、2004年は、生産量の増加が見込まれているが、好調な景気に支えられて食肉全体での国内消費が引き続き好調であると見込んでいる。

図2 冷凍鶏肉在庫の推移
資料:USDA/ERS
「Livestock, Dairy and Poultry Situation and Outlook」


元のページに戻る