米国のトウモロコシ作付意向面積は、ほぼ前年並み

◇絵でみる需給動向◇



●●●2004年のトウモロコシの作付意向面積は3,198万ヘクタール●●●

 米農務省(USDA)が3月31日に発表した作付意向調査結果によれば、2004年のトウモロコシの作付意向面積は、前年比0.3%増の3,198万ヘクタールでほぼ前年並みと予想されている。今回の調査では、コーンベルト地帯でトウモロコシ価格の高騰に伴い作付面積の増加が見込まれている。一方、大豆や綿花の価格も上昇していることから、大平原地域の南西および南部では大豆や綿花の生産に移行する傾向にあり、トウモロコシの作付面積が減少するとされている。

 トウモロコシ作付面積の上位5州(全体の約6割を占める)の動向を見ると、最大の生産州であるアイオワ州は506万ヘクタールで前年実績並み、これに次ぐイリノイ州は453万ヘクタール、4位のミネソタ州は300万ヘクタール、5位のインディアナ州は227万ヘクタールといずれも前年実績を上回る。しかし、3位のネブラスカ州は324万ヘクタールと前年実績を下回ると見込まれている。

全米および主要州におけるトウモロコシ作付面積
(単位:千ヘクタール、%)
資料: USDA「Prospective Plantings」
注1:2004年は計画値
  2:シェアは、2003年の実績に基づく

 

●●●大豆の作付面積は前年より増加を予想●●●

 一方、大豆については、前年を2.7%上回る3,052万ヘクタールと予想されている。1999年以降減少傾向で推移したが、2004年は4年ぶりの増加となる。前年を上回る要因としては、前述のトウモロコシからの転換に加えて、主要生産地での過去3カ年に及ぶ作付面積に減少による反動とされサウスダコタ、ウイスコンシン州以外の全ての州で作付面積が増加している。さらに大豆価格の高騰が作付面積の増大を助長している。

米国のトウモロコシ、大豆作付面積の推移
資料:USDA/NASS 「Prospective Plantings」
 注:2004年は予測値

 

●●●GM品種の選択は、トウモロコシ、大豆とも昨年を上回る見込み●●●

 また、今回の調査結果によれば、2004年の遺伝子組み換え(GM)品種の作付意向面積の割合は、トウモロコシが前年実績の40%を6ポイント上回る全体の46%となっている。その内訳は、害虫耐性品種(Btコーン)が27%で前年実績より2ポイント増加、除草剤耐性品種が14%で前年実績より3ポイント増加、害虫・除草剤耐性品種が5%で前年実績より1ポイント増加した。

 大豆についても昨年実績より5ポイント上昇して全体の86%がGM大豆を選択するという結果となっている。



元のページに戻る