●●●生産量は前年度比5.1%減●●●
デイリー・オーストラリア(DA)の調べによると、2003/04年度上半期(7〜12月)の生乳生産量は、前年同期比5.1%減の579万9千キロリットルとなり、過去最高を記録した2001/02年度上半期の637万1千キロリットルと比較して9.0%減少となった。2003/04年度下半期には、長引く干ばつからの回復によって、去年を上回る水準までに改善すると予想されているが、生乳生産ピークである上半期の生産量が低水準であることから、年度全体における生乳生産量に影響を与えるものと思われる。
●●●酪農経営に明るい材料●●●
干ばつからの回復の中で、酪農経営にはいくつかの明るい兆しが見えている。今年度の貯水量は比較的良好で、年明けから数週間の夏の気温は全般的に穏やかに推移し、乾草およびサイレージの生産が好調なことに加えて、飼料穀物価格が大幅に低下したことが、生乳生産量および酪農経営にプラスに作用している。しかし、過去12ヵ月にわたる豪ドル(対米ドル)高の影響により、乳製品輸出価格の上昇は避けられず、国際競争力の低下を招いている。
図1 1豪ドル当たりの対米セントの推移
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資料:東京三菱銀行 為替相場より対米セントに換算 |
●●●大部分の州で生産量はやや減少●●●
生乳生産量を州別にみると、豪州の生乳生産の約7割を生産するビクトリア州の生乳生産量は、前年度同期に比べ8.1%減の381万7千キロリットルとなった。月別にみると、2002年7月以降前年同月を下回っている(図2)。
その他の州をみると、ニューサウスウェールズ(NSW)州(生乳生産に占めるシェア12.0%)は同1.5%減の69万4千キロリットル、南オーストラリア州(同6.5%)は同4.0%減の37万6千キロリットル、クインズランド州(同6.3%)は同4.2%減の36万6千キロリットル、タスマニア州(同5.6%)は同5.8%減の32万5千キロリットル、西オーストラリア州(同3.8%)は同1.5%増の22万キロリットルとなった。
図2 ビクトリア州における生乳生産量の推移
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資料:DA「Ausralian Milk Production」 |
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