イギリスFSA、より健康的な子供の食事のための行動計画を決定


関係者全員の行動計画を決定

 イギリス食品基準庁(FSA)は、近年、子供向け食品の販売促進活動について検討を行ってきた。この一環として、3月11日、FSAの理事会(Board)が食品の販売促進活動と子供に関する行動計画(Action Plan)を決定した。

 FSAは、多くの子供の食事内容が、でんぷん質や果物、野菜などが非常に少ない一方、脂肪分や塩分などの摂取が多すぎており、このため、子供の肥満が増加し続けているとしている。

 また、FSAによれば、食品の販売促進活動と子供に関するこれまでの調査から、販売促進活動が子供の食品の選択などに影響を及ぼしているとの結論が得られた。さらに、子供向け食品の販売促進活動の多くを菓子類やファストフードなど脂肪分や塩分などが多い食品が占めていることもわかった。

 このようなことから、FSAは昨年来、食品の販売促進と子供に関する公開討論会の開催などを行ってきた。

 今回決定された行動計画では、FSAが実施されたことのみならず、保護者やFSA以外の政府機関、学校、テレビやラジオのキャスター、広告関係者、食品産業の関係者、アニメキャラクターおよびスポーツ選手などの有名人(celebrities)などを含む、子供の食事に影響を与えているか、または与える可能性のあるイギリス国内のすべての人が参画して実施することを提案している。

行動計画の概要

 行動計画に示されている概要は、以下の通り。

・FSAは、子供向けの食品中の脂肪分、塩分などの摂取の目安や、これらの含有水準に関する表示方法などについて食品業界に対する助言を行う。

・FSAは、食品業界が、上記の助言を受け入れているか否かを監視し、その結果を公表する。

・食品業界に対し、無料の景品、値引きなどにより、子供の向けの健康度合いがより高い食品の選択(healthier options)のための販売促進を行うよう求める。

・FSAは、健康度合いがより高い食品の選択が行われるよう、子供向け食品のテレビコマーシャルの不均衡を正すための行動を行う。

・有名人に対し、子供がより健康的な食事を行うようにするための活動を支援することを求める。

・政府の機関が、健康度合いがより低い食品の選択(less healthy options)を子供に勧めるような販売促進活動を支持しないよう求める。

・スポーツなどのイベントの主催者とFSAに対し、より健康的な食品の選択を支持するブランドのみをスポンサーとするよう求める。

・FSAは、学校やその他の子供がよく訪れる公共機関に対し、それらの施設における自動販売機では、より健康度合いが高い食品の選択ができるようにするための指針を作成する。学校に対しては、健康度合いが低い食品を指示するブランドの食品を提供する自動販売機を設置しないことを求める。

 なお、今回の行動計画は、理事会で承認された後に、公式の協議を行うこととなっている。


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