2004年上半期の乳製品需要はわずかに増加


◇絵でみる需給動向◇


●●●消費量は前年同期比1.8%増

 米国農務省(USDA)が先ごろ発表した2004年上半期(1〜6月)の乳製品の需要動向によると、同期の乳製品消費量(全乳ベース。政府の国内向け無償給与を除く。以下同じ)は、前年同期比1.8%増の3,887万トンとなった。このような乳製品消費量の増加は、実質国内総生産(GDP)成長率が、2004年上半期では5.1%増と伸びを示しているなど景気が牽引しているものと考えられる。

●●●チーズおよび脱脂粉乳は増加、バターは減少●●●

 一般的に乳製品の需要は、景気変動の影響を受けやすいと言われ、好景気時には高級食材や外食志向が高まり、チーズやバターの需要が増加する傾向が見られる。

2004年上半期(1〜6月)の消費量を製品別に見ると、バターについては、同0.4%減の26万4千トンとなった。

 一方、生乳の5割近くが仕向けられるチーズの消費量については、チェダ−チーズをはじめとするアメリカンタイプが2.2%増、モッツアレラチーズに代表されるイタリアンタイプなどのその他のものが4.4%増となり、チーズ全体では3.6%増となった。また、脱脂粉乳は、前年同期比219%増の30万7千トンとなった。脱脂粉乳など無脂乳固形分の需要は、乳飲料やアイスクリーム向けの原料用が中心であるが、それらの需要が拡大していることに加え、政府の補助施策の一環により、干ばつ被害地域の家畜向け飼料として2004年7月16日現在で6万1,589トンが供給されたことによるものと考えられる。


●●●チーズ価格の高騰に困惑、在庫量は前年同期比で2.2%増●●●

 2004年の在庫量は前年同月を上回って推移し2004年上半期(1〜6月の合計)は、前年同期比2.2%増の216万3千トンとなった。価格が上昇している中での在庫の積み増しが進んでいることで、今後2004年は軟調な価格水準が見込まれている。

 USDAによると、チーズ価格の高騰が続いたことから2004年後半に入り市場原理により次第に下降傾向で推移すると見込んでいる。

図 チーズの民間在庫量の推移
資料:USDA「Dairy Products」

元のページに戻る