●●●日本向けおよび米国向けの輸出市況●●● 豪州産牛肉価格は相変わらず高止まりの状況となっている。豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)の調べでは、8月の対日輸出価格(グラスフェッドフルセット)は、前月比で4.4%増、前年同期比で20.1%増の186.8米セント(約207円、1ドル=111円)となった。MLAによると、6月末から7月末にかけて日本国内で米国産牛肉の輸入再開観測が広まったことで在庫が一掃されたものの、8月に入って再び輸入業者が豪州産牛肉の買いに転じたことから、価格が押し上げられたとしている。8月の対日輸出量は3万1千トン(船積みベース)となっており、前年同期と比較すると44%の増加となっている。
●●●供給不足が価格のさらなる押し上げへ●●● 今年1年を通じた需要の高まりと成牛価格の高騰によって、生産者は、例年以上に生産を増加し利益の確保に努めているとみられる。過去10年における平均値と比較すると、2004年のと畜頭数および枝肉生産量は、ほぼ全ての月で平均値を上回る勢いで推移しており、その傾向が顕著に表れている。
●●●来期も見通しは明るい●●● MLAの予測によると、豪州産牛肉の輸出は来期においても明るい見通しを維持できるとしている。MLAは予測の中で、米国産牛肉の輸出再開の時期を2005年前半とすれば、豪州の畜産業にとって当面の間は輸出停止を前提とした市況が維持されるであろうとしている。仮に輸出が再開され米国産牛肉が市場に再参入したとしても、一時的な反動による出回り量および価格に変動はあるが、その後相場は安定し平均的な水準に落ち着くであろうとMLAは予測している。 元のページに戻る |