●●●2004年上期輸出数量は前年並み●●●
米国農務省(USDA)によると、2004年上半期(1〜6月)における鶏肉輸出量(可食処理ベース)は、前年同期比13.8%減の92万1千トンとなった。国別にみると、最大の輸出市場であるロシアが米国での鳥インフルエンザの発生に伴う輸入停止措置や2004年から実施された関税割当数量(TRQ)の影響により2002年から3期連続して減少し同8.3%減の28万トンとなった。主要市場である香港は同70.5%減の4万1千トン、中国は同77.7%減の4千トン、日本は81%減の4千トンとなった、一方、メキシコは冷凍モモ肉のアンチダンピング問題が和解したことから同20.7%増の8万7千トン、カナダは25.5%増の5万4千トンとなった。 ●●●輸出価格は上昇傾向●●● 輸出価格(輸出額を輸出量(製品重量ベース)で除したもの)は、米国国内での鶏肉価格の影響を受けて上昇が続いており、2004年1〜6月の平均は前年比38.4%高のトン当たり845ドル(9万3,795円、1ドル=111円)となっている。国別にみると、日本向けは前年同期比7.0%高のトン当たり986ドル(10万9,446円)、次いでロシア向けの同59.8%高のトン当たり736ドル(8万1,696円)、香港向け同30.3%高のトン当たり878ドル(9万7,458円)となっている。ここでも、米国内の鶏肉製品の価格高が平均輸出価格全体を押し上げている結果となった。
●●●2004年は輸出減少の見込み●●● USDAでは、2004年のブロイラー輸出量について、鳥インフルエンザの影響によりアジアを中心に輸入停止措置が採られたことやロシア向けの骨付モモ肉(レッグクオーター)の価格が急上昇していることにより輸出は減少した。2004年下半期は、中国による米国産鶏肉の輸入制限が解除されるとレッグクオーターなどの低価格部位のインパクトにより輸出数量は増加すると見込んでいる。
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