フォンテラ社の2003/04年度年次報告書


◇絵でみる需給動向◇

 



 

 

●●●フォンテラ社の2003/04年度決算●●●

 ニュージーランド(NZ)の主要な乳業メーカーであるフォンテラ社はこのほど、年次報告書を発表し、2003/04年度の総括と2004/05年度の見通しを明らかにした。

 それによると、2003/04年度におけるフォンテラ社の収支概要について、総収入は前年度比5.2%減の118億NZドル(約8,260億円、1NZドル=70円)、総費用は同1.5%減の97億NZドル(約6,790億円)となり、その結果、業務粗利益は19.3%減の20億NZドル(約1,400億円)となった。

 総収入の減少分のうち7億NZドル(約490億円)については、フォンテラの子会社による海外投資の拡大による減少分であるとしている。一方、総費用については、生乳生産量の増加と国際価格の高騰により、年度途中で生産者支払乳価の切り上げに踏み切ったという事情があるにもかかわらず、フォンテラ社のコスト削減努力でその上昇分を吸収することができ、総費用を抑えることができたとしている。


●●●2003/04年度を振り返って●●●

 フォンテラ社は、2003/04年度を振り返って、今年度の乳製品国際市場における2つの大きな特徴を指摘している。

 一つ目は、NZドル高である。フォンテラ社によると、NZドル高の影響により、5億4千NZドル(約378億円)の為替差損が発生したとしている。これは生乳生産量(乳固形分換算)でみると、キログラム当たり45セント相当の国際価格を相殺した計算になるとしている。

 二つ目は、生乳生産の増加と乳製品国際価格の高騰である。その結果、フォンテラ社は、生産者に利益を還元するため乳価を4.25NZドルに引き上げることとし、経費の削減に努めた。製品販売コストは、前年度と比較して1億4千NZドル(約98億円)圧縮した91億NZドル(約6,370億円)となり、事業経費は18億NZドル(約1260億円)と前年と比べて12%の削減に成功した。

 フォンテラ社は、今年度を通じて、自社のコスト体質の改善と生産流通過程の強化を達成することができたと総括している。


●●●2004/05年度の見通し●●●

 フォンテラ社の2004/05年度の見通しによると、国際価格は来期においても依然高値を維持すると予測している。加えて、最近のNZドル安傾向も好材料となり、より前向きな展望が開けるであろうとしている。フォンテラ社は、為替見通しの変更から6月、2004/05年度生産者暫定支払乳価を35セント切り上げ、キログラム当たり3.85NZドルに修正している。

 フォンテラ社は今後とも、コストの削減と生産流通過程の改善を続け、高付加価値な製品の開発に邁進していくとしている。

                                


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