EU外相理、WTO交渉前に決着に向けた決意 EUの外相理事会は7月26日ブリュッセルで開催され、ドーハ開発アジェンダ(DDA)の下で議論が行われている世界貿易機関(WTO)交渉において、7月末までの枠組み合意の決着に向けたEUの決意(commitment)となる強いメッセージを発した。 外相理事会での主なメッセージは以下の通り。 なお、7月16日に大島WTO一般理事会議長から提出された枠組み合意案について、EUが強調した改善する必要があるバランスとは、(1)農業分野と農業分野以外とのバランス、(2)農業分野内の三つの柱(国内指示、市場アクセス、輸出競争)のバランス、(3)輸出競争における輸出補助金と輸出信用などほかの補助とのバランス−であると思われる。これについて、EU最大の農業国であるフランスのシラク大統領が強い不満を表したことが報道されている。 ラミー、フィシュラー委員のコメント ラミー委員(通商担当)とフィシュラー委員(農業および農村開発・漁業担当)は、「本日のメッセージはEUがジュネーヴでのWTO交渉 フ成功に向けて全力を尽くしているということを明確に示すものである。農業、工業製品の関税、サービス、開発に関する問題であれ、われわれはバランスがとれており、野心のある結果となることを望む。しかし、EUがリードするだけでなく、他の国も責任を果たすべきである。」とコメントしている。 農相理事会でも輸出補助金の枠組み合意案の改善を求める 外相理事会に先立つ7月19日、EUの農相理事会が開催され、会議の最後にWTO交渉の現状について意見交換が行われた。同理事会では、農業分野での枠組み合意案は正しい方向ではあるが、特に輸出補助金、輸出競争についてはより明確にする必要があるとしている。 COPA/COGECAもアンバランスを主張 欧州農業者のロビー団体である欧州農業組織委員会/欧州農業協同組合委員会(COPA/COGECA)は7月20日、大島議長案に対し、「WTO交渉の枠組みが、農業においてバランスがとれ、全WTO加盟国に対し均等に努力を求めるものとなり、かつ共通農業政策(CAP)の改革を損なうことがないものとなることを求める。」とコメントを発表した。 |
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