豚肉の取引価格上昇により生産増加を予測 7月23日、養豚の主要な生産地であるサンタカタリナ州の農業経済企画院(ICEPA)は、最近の養豚生産の低迷により豚肉価格が上昇傾向で推移しており、それにより生産意欲が高まり短期的に生産が増加して将来的に価格が下落する可能性を示唆するレポートを発表した。内容は以下の通り。 配合飼料の無税適用除外により生産低下を危ぐ 7月23日付け法律第10925号により、国内市場への販売に際し"社会負担金"のPIS※4およびCOFINS※5が無税となる品目などが決定された。これによれば、基礎的食料であるコメ、フェイジョン豆、卵、マンジョカ粉などともに、肥料、ミネラル性の土壌改良剤、家畜用ワクチ
刀A農薬、作付けに用いる種子と苗などが無税の対象となった。一方、配合飼料、濃厚飼料、ミネラルサプリメントなどについては、連邦議会で無税の対象として承認されたが、大統領が「公共の利益に反するため」として拒否権を発動したことにより、対象とはならなかったと報道されている。これに対しブラジル全国農業連盟(CNA)などは、肉用牛生産にとってミネラルは重要であり、また養豚および養鶏の生産にとって配合飼料は不可欠な要素で、競争力の低下、特に中小規模農家への打撃が大きく、課税分がダイレクトに価格へ反映され、強いては生産の低下に結びつくのではないかと危ぐしている。 輸出量は減少するも輸出額は増加 このような中、豚肉の2004年上半期の輸出量は前年同期の23万4,809トンを4.8%下回る22万3,612トンに、輸出額は同2億3,936万ドル(約263億円、1ドル=110円)を27.0%上回る3億392万ドル(約334億円)となった。これはロシア向け輸出量が輸入枠の設定により減少したが、その反面輸出単価が上昇したこと、また全般的に価格の高いカット肉の輸出が増えたことなどによるとブラジル豚肉生産輸出業協会(ABIPECS)では分析している。生産意欲を促進する要因と減退する要因が同時期に起こっているため、今後の養豚生産の動向が注目される。 ※1:サンタカタリナ州、リオグランデドスル州、パラナ州の3州を指し、2003年の全豚肉生産量の44%を占める。 |
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