米国農務長官、WTO交渉の枠組み合意を歓迎


ベネマン農務長官枠組み合意を歓迎

 ベネマン米国農務長官は8月1日、7月27日から7月31日に開催された世界貿易機関(WTO)一般理事会において今後の交渉の枠組みについて合意したことを受け「ドーハラウンド交渉が最終合意に向けて前進することを可能とする枠組みにジュネーブにおける交渉で合意に達することができたことを非常に喜んでいる」との声明を公表した。同長官は、カンクン閣僚会合での失敗を受けて米国がほかの加盟国に交渉をより真剣に行うよう説得するための強力な指導力を発揮してきたとし、ゼーリック通商代表をはじめとする交渉関係者の努力をねぎらった。また、今回の枠組み合意は2001年に開始されたドーハ開発アジェンダに基づく交渉全体の再活性化をもたらし、加盟国による公正かつ公平な世界的な市場の公約を示すものであり、米国の農産品に将来的な市場開放と障壁の減少をもたらすと評価した。

 各農業団体のコメントは次の通り

NCBA

 肉牛生産者団体である全国肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)のライオンス会長は8月2日、「枠組み合意は、米国の交渉団と農業者の勝利を示すものである。前回のカンクン閣僚会合では進展を見ることなく終了し米国の生産者を落胆させたので今回も当初懸念を有していたが、枠組み合意は最終的には前進したことを示している」との声明を公表した。また、NCBAとしては牛肉の主要な市場である日本と韓国の関税の削減に注目しており、今後も市場アクセス分野での活動を進めていくとしている。

NMPF

 全国生乳生産者連盟(NMPF)のコザック会長は8月2日、「米国の交渉団は、米国の酪農の利益を保護しつつ交渉を継続することを強力に推し進める偉大な仕事を成し遂げた。今回の枠組み合意はドーハラウンドにおける小さな一歩に過ぎないが、交渉の終了に向けた全体的な観点からは大きな躍進であり、世界貿易の仲裁人としてのWTOの信用を強化するものである」との声明を公表した。

NFU

 全米最大の農業者団体であるファーマーズ・ユニオン(NFU)のフレデリクソン会長は8月2日、「枠組み合意は多国間貿易交渉が米国の農業生産者を困難に陥れる次なる段階に入ることを許容するものである。米国の交渉団が見返りとしての所得補償や輸出補助金の削減、市場アクセスの改善なしに国内の所得補償制度を削減することに合意した」とし、今回の枠組み合意に落胆したとの声明を公表した。

ブッシュ大統領、米豪FTAに署名

 ブッシュ大統領は8月3日、米豪自由貿易協定(FTA)に署名を行った。署名に際し同大統領は、「米豪FTAは米国と豪州の同盟の歴史の道標である。この協定は実際の経済上の協力関係の創出により米国の安全および政治的な同盟を拡張するものである。協定は相互に雇用とその機会を増大させ、和平を通じた経済成長を刺激し、友好関係などを強化するであろう」とした。また、WTOの枠組み合意について「枠組み合意はWTOで行われている交渉に道しるべを与えるものである。枠組み合意は加盟国に農産品における輸出補助金の廃止、関税規則の能率化と透明性の徹底的な見直しに関する新たな作業の開始を公約する」とし、交渉では更なる作業 ェ必要であるが、豪州のハワード首相と自分はドーハラウンド交渉の成功について公約しているとした。


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