● ● ● 2004年輸出量は前年比26.8%増 ● ● ●
米国農務省(USDA)によると、2004年の豚肉輸出量(枝肉重量ベース)は、海外の豚肉需要の高まりや為替相場がドル安傾向で推移したことなどから、前年に比べて26.8%増の98万9千トンと過去最高となった前年をさらに上回るものとなった。
輸出国別にみると日本向けが最大で、前年比16.0%増の41万7千トンと輸出量全体の約4割を占めた。その他の主要輸出国では、メキシコ向けが同国の近年における経済成長にも支えられ同53.0%増の24万3千トン、カナダ向けが同21.3%増の10万5千トンとそれぞれ前年を大幅に上回った。また、数量としてはそれほど大きくないもののアジア諸国向け輸出量の増加が顕著で、台湾向けが同国での生産量の減少や米国でのBSEの発生により消費者の需要が牛肉から豚肉へシフトしたことなどから同40.0%増の4万5千トン、中国向けが同87.2%増の3万8千トンとなった。さらに、2003年から同国において関税割当措置が実施されているロシア向けは同308.8%増の3万トンとなった。USDAによると、2005年における米国のロシア向け割当数量は前年比27.5%増の5万3,800トンとしている。
また、輸出額をみると、2004年全体では前年比31.5%増の19億8,900万ドル(約2,108億円、1ドル=106円)、1ポンド当たり平均輸出価格は同3.4%高の91セント(1キログラム当たり213円)となった。
豚肉国別輸出量(2004年)
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資料:USDA/ERS「Livestock,Dairy and Poultry Outlook」 |
● ● ● 輸入量は前年比7.2%減 ● ● ●
一方、2004年の豚肉輸入量は、安定的に推移する国内生産やドル安傾向の影響から前年に比べて7.2%減の49万9千トンとなった。主要輸入国別にみると、輸入量全体の約8割を占めるカナダは前年比8.8%減の40万2千トン、カナダに次ぐ輸入国であるデンマークは同5.8%減の6万3千トンとなった。
また、輸入額をみると、2004年全体では前年比15.2%増の14億200万ドル(約1,486億円、1ポンド当たり平均輸入価格は同24.3%高の1.28ドル(1キログラム当たり299円)となった。
なお、カナダからの生体豚の輸入頭数は、前年比14.3%増の850万4千頭と過去最高となった前年をさらに上回った。
豚肉国別輸入量(2004年)
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資料:USDA/ERS「Livestock,Dairy and Poultry Outlook」 |
● ● ● 2005年豚肉輸出はさらに増加の見込み ● ● ●
USDAの2005年における豚肉輸出入予測によると、輸出は、BSEや鳥インフルエンザの影響による豚肉需要の高まりが特にアジア諸国において引き続き予測されることから前年比4.8%増の104万トン、また、輸入は同8.7%増の54万トンと見込まれている。
豚肉輸出入量の推移
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資料:USDA/ERS「Livestock, Dairy and Poultry Outlook」
注 1:枝肉重量ベース
2:2004年は速報値 |
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