活況をみせる2004年のフィードロット業界


◇絵でみる需給動向◇


● ● ● フィードロット飼養頭数は過去最高 ● ● ●

 2004年の豪州フィードロット業界は、米国産牛肉の輸入停止に起因する日本および韓国などの需要増加を受けて、かつてないほどの活況を見せた。豪州フィードロット協会(ALFA)および豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)が共同調査したフィードロット調査報告によると、2004年の総飼養頭数は、9月末時点で75万9千頭と過去最高を記録した。以降もその勢いは衰えず、直近の12月末時点でみると、総飼養頭数は前年同期を15.4%上回る75万2千頭となっている。収容可能頭数も96万7千頭と前年同期を6.9%上回る結果となり、収容可能頭数を総飼養頭数で割った稼働率は前年同期から6ポイント上昇の78%となった。ALFAおよびMLAは、豪州産グレインフェッドビーフを高値で買い付けるアジアからの需要にフィードロット業界が対応し、フィードロットの新設や規模拡大が進んだことが背景にあるとしている。

● ● ● アジア市場からの需要増加が追い風に ● ● ●

 総飼養頭数を仕向け先別に見ると、日本向けが42万7千頭で前年同期から18.0%増、韓国向けが3万5千頭で同41.7%増と大幅に伸び、その結果、輸出向け全体で同24.4%増の49万9千頭となった。シェア別にみると、日本向けが前年同期から1.3ポイント上昇し56.8%、韓国向けが同0.9ポイント上昇し4.7%と、アジア市場から需要増加がフィードロット業界にとって追い風となった。

 出荷頭数も過去最高の水準に達しており、2004年の出荷頭数は、前年を6.9%上回る224万頭となった。(図1参照)

図1 2004年のフィードロット動向
注 :収容可能頭数、総飼養頭数は12月末現在。出荷頭数は暦年累計
資料:ALFA、MLA


● ● ● 日本向けグレインフェッドビーフが輸出を牽引 ● ● ●

 MLAによると、2004年の対日牛肉輸出量は、前年比40.9%増の39万3千トン(船積ベース、以下同じ)と過去最高水準となった。日本向けグレインフェッドビーフ輸出量は、前年比54.6%増の17万2千トンとなり、輸出全体に占めるグレインフェッドビーフのシェアは、前年の39.9%から3.9ポイント上昇の43.8%となった。その結果、日本向け輸出量が、前年まで輸出相手国1位を占めていた米国(35万トン)を上回る結果となり、2004年は日本が豪州にとって最大の牛肉輸出相手国となった。(図2参照)

図2 グレインフェッドビーフの輸出量
資料:MLA

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