● ● ● 好調な輸出により生産量は10%増 ● ● ●
ブラジルブロイラー用ひな生産者協会(APINCO)によれば、2004年の鶏肉生産量は前年の764万5,164トンを10.0%上回る840万8,530トンとなっている。このうち28.8%の242万4,520トンが輸出に向けられ、前年の輸出量192万2,042トンを26.1%上回った。また国内市場へは残り71.2%の598万4,010トンが向けられたことになり、これは前年の572万3,122トンを4.6%上回っている。以上より2004年の生産量増加は、海外からの需要増加が大きな要因であったことがうかがえる。
ちなみに2004年の国民1人当たりの鶏肉消費量はAPINCOによれば33.0キログラムとなっており、2003年の32.0キログラムより、1キログラム増えている。
なお、ひなふ化羽数も同様に、前年39億710万羽を9.5%上回る42億7,770万羽となっている。
ひなふ化羽数の推移
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資料:APINCO |
● ● ● 国別輸出額では日本が第1位 ● ● ●
ブラジル開発商工省貿易局(SECEX)によれば、2004年の輸出量は前述のとおり前年比26.1%増となったが、輸出額は前年の17億974万ドルを45.9%上回る24億9,393万ドル(2,644億円、1ドル=106円)と大幅に増加した。
またこれを丸どりとパーツ別に見てみると、丸どりの輸出量は前年比22.1%増の97万4,565トン、輸出額が同29.9%増の8億182万ドル(850億円)となっており、このうちサウジアラビアが29万2,625トン、2億5,679万ドル(272億円)と数量・金額共に3割程度を占めている。
これに対しパーツの輸出量は前年比29.0%増の144万9,955トン、輸出額は同54.9%増の16億9,211万ドル(1,794億円)となっており、輸出量の伸びに対し輸出額の伸びが大きく上回った。これは丸どりの1トン当たり輸出価格が前年比6.4%増の823ドル(8万7千円)であったのに対し、パーツは同20.1%増の1,167ドル(12万4千円)であったことによる。
2004年の輸出が好調であったことは、年頭におけるタイ、中国、米国などの主要鶏肉輸出国において高病原性鳥インフルエンザが発生したことにより、同疾病の発生がなかったブラジルからの輸出が増えたことは周知のとおりで、このほか高付加価値製品の輸出やベネズエラなど比較的新しい市場への輸出が増加したことが挙げられる。
なお、日本向け輸出量(32万3,087トン)のうちほとんどがパーツで、その輸出量は前年の17万8,720トンを78.3%上回る31万8,648トン、輸出額は前年の2億3,113万ドル(245億円)を118.4%上回る5億939万ドル(540億円)、1トン当たりの輸出価格は前年を22.5%上回る1,584ドル(16万8千円)となっている。
なお国別に見た場合、輸出量において1位は33万2,612トンのサウジアラビアで、2位が日本(前述の32万3,087トン)とあまり差がないが、輸出額では1位5億939万ドル(540億円)の日本が、2位3億1,857万ドル(338億円)のサウジアラビアを大きく離している。
国別輸出量の比較
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資料:SECEX |
国別輸出額の比較
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資料:SECEX |
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