アルゼンチンの農業メガフェア




ひとくちMemo

 アルゼンチンにおいて3月は、農業メガフェアの開催が大きな話題となる季節である。農業部門では農作物の収穫が本格的に始まり、畜産部門、特に肉用牛経営にとっては子牛の販売時期であるため、投資に対して最も関心が高くなる時期であるといわれる。

 この時期で有名な農業フェアは、1992年に出版社が始めた「ExpoChacra」で、その後巨大化していった。このような中、新たに2003年から新聞社グループが主催するもう一つの農業メガフェア「Feriagro」が開始した。

 今回は3月3〜6日にサン・ペドロ市近郊で開催した「Feriagro 2005」を取材したので紹介する。

 


会場入口:ブエノスアイレス市の中心から約120キロメートル離れた農場の中に、小さな一つの町が出現する。

主催者発表では、4日間で152,890人が入場したとのこと。


農業機械の展示:穀倉地帯のパンパで行う催しものだけあって、大型農業機械の展示スペースが会場面積のほとんどを占める。
畜産コーナー:農業関係のスペースに比べれば小さいが、畜産コーナーもある。アルゼンチン牛肉振興機関(IPCVA)のテナントも出され、牛肉のカットについてポスターも配布していた。

また「畜産大通り」という名の通りも出現。


種雄牛も展示:アンガス種、ブラーマン種、ヘレフォード種、シャロレー種、リムジン種なども紹介されていた。


第7回 全国羊毛刈りコンクール:アルゼンチン農牧水産食糧庁(SAGPyA)が、PROLANA(羊毛の品質向上を目的としたプログラム)の一環として実施している。PROLANAに参加している6州内で2名ずつ代表者を決め、12名がFeriagroに集まり、トーナメント制で腕を競いチャンピオンを決める。今年は、ブエノスアイレス州の代表がチャンピオンになった。
審査員も真剣:審査員は毛刈りを行っている最中も、決められた手順や刈った羊毛の取り扱いなどを審査している。また毛刈り終了後は、刈り残しや傷の有無などをチェックする。採点は100満点で40点分がスピード、60点分がテクニックなどを評価する。


第1回人工授精師コンクール:カトリック大学とFeriagro共催のコンクールで、人工授精の仕方や技術を競う。競うポイントは、手順や子宮挿入の正確性、衛生的な措置の有無などである。


参加者は年配者が多く、また服装もほとんど普段着といった感じでかなりラフ。絶対にふん尿にはまみれない、自信の現われか?


審査員がしっかり子宮に挿入されているか確認しているが、審査員の腕もかなり太そうである。


 
水槽?:農業フェアなのに、なぜか水槽が!州により独自のテナントを構えているが、水産業も紹介したパラグアイ川に接する北部フォルモサ州のもの。炎天下に泳いでいる魚はパクーとのこと。


 
おいしそうな匂いを皆様に!

牛肉、豚肉、羊肉などが用意されているが、アルゼンチンの多くの人は牛肉の骨付きバラを好む。





(ブエノスアイレス駐在員事務所 犬塚明伸、横打友恵) 


元のページに戻る